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Thomas Kagermann “Ich Bin Entzückt”
このアルバムも全然素性を知らずに、海外通販のついでに購入した作品なので、このアーティストThomas Kagermannのことを調べてみました。
Tomas Kagermannは、独Wuppertal出身で、元々、ヴァイオリニスト、シンガー、マルチ奏者、ソングライターであり、そのスタイルは、民族音楽/ジャズ/ニューエイジ辺りになりますが、先述のようにマルチ奏者なので、G, Piano, Mandolin, Fluteまで演奏します。また多くのミュージシャンとのコラボを行ってきており、その録音物やライブでも世界的にも有名な人物らしいです。彼の母親は、ダンサー兼クラシックのヴァイオリニストで、その影響なのでしょう、Thomas Kegermannは、1973年に、フォークグループFiedel Michelを結成し、1980年までに幾つかのレコーディングを行い、蘭や英国等欧州でも成功しています。1978年からは、フォーク・ロック・バンドFalckensteのメンバーとしても活動し、Conny Plankとの共同プロデュースで、2枚jアルバムを録音しています。1980年以降は、Kagermannは、ソロでも活動し始め、始めは独グラモフォンから何枚がアルバムをリリースしています。1987年から数年間、彼は、Fritz JägerのLamberti学校とも言われたイタリア学校で、ヴォイス・トレーニングに取り組み、その時期は、ヴァイオリンと歌に集中しています。1991年には、Michael Lücker(G)とUrs Fuchs (B)とで、即興グループPapalagiを結成し、1992年以降は、mit Andreas Vollenweider, Jan Akkerman, Büdi Siebert, Jaki Liebezeit及びNippy Noyaとのコラボ作を制作し、かなり幅広い音楽の録音に携わっています。それ以外にも、Matthias Frey, Roger Matura, Art of Infinity、そして、Klaus Schulzeと彼のプロデューサーであるTom Damsともコラボしています。その一方で、Kagermannは、音楽プロジェクトGNU及びZebraSommerwindや、それ以外にも、シリア、日本、モロッコでパフォーマンスを行うダンス、絵画、音楽からなるパフォーマンス・プロジェクトTheatronToKosmoの結成にも関わっています。 1995年以来、彼はスピリチュアルな音楽、歌、フリーな即興の過渡期的な時期で、「作曲:の探求を行っています。彼は、ダンス・パフォーマンス・アーティストのEva-Maria Kagermann-Otteと結婚し、音楽に加えて、占星術や哲学にも大いなる関心を持って活動しているそうです。
とまぁ、ここら辺がThomas Kagermannのバイオグラフィーになる訳ですが、本作品”Ich Bin Entzückt (イッヒ・ビン・エントツゥックト)「私は嬉しい」の意)“は、ソロ名義としては2枚目のアルバムになります。このアルバムでは、Thomas Kagermann (Vo, Kbd, G, Vln)以外に、Uwe Ziegler (G), Andy Schmidgen (Kbd), Ulli Schmidt (Kbd), Roland Schmidt (Sax), Georg Funke (B), Rudi Marhold (Drs)も参加して制作されています。それでは、ソングライターでマルチ奏者のThomas Kagermannのソロアルバム第2弾の各曲を紹介していきましょう。
★A1 “Auch Wenn Beton Mich So Müde Macht” (4:03)は、軽妙なリズムに乗って、Kagermannが歌い上げる曲で、オルガン/シンセやGのちょっとしたリフの使い方が上手く、また間奏のソウルフルなSaxにも泣けます。
★A2 “Sing Dich Frei” (3:47)は、単調なDrsに、豪華なポリシンセが絡む曲で、リバーブの効いたVoも堂々と歌っています。タイトル通りですね。盛り上がる時には、目頭が熱くなります。特にSaxとGのソロが感情を揺さぶります!
★A3 “Schwach Oder Stark” (4:09)は、速弾きのアコギとピアノを中心に、シアトリカルな展開で、サビではノリも良くなる曲で、やはりVoが上手いですし、オルガンも良い味です。またSaxやシンセ・ソロほ聴き処です。
★A4 “Amerika” (4:15)は、微音から徐々に始まり、呟くように歌うKagermannと共に、Gやブラス系シンセが入っている曲ですが、シンプルなノリの割に、サビのメロディはドキドキする程盛り上がります。
★A5 “Liebesharmonie (vocal)” (3:50)は、寂しげなGとリズムマシンに導かれて、Kagermannが落ち込んだ人をエンカレッジするように静かに、そして力強く歌っている曲ですが、ちょっとカリプソ的なアレンジが効いてます!
★B1 “Sag Mir Wo Die Blumen Sind” (3:50)は、一転、ちょっとコミカルな歌い方が特徴的な曲で、ドラムマシンを使っていますが、何故か優しい雰囲気です。コーラスや合いの手も良い感じです!最後に「語り」もありますが、カバー曲のようです。
★B2 “Er War Ein Renner” (3:56)は、力強い生ピアノに乗せて、渋い歌声を聴かせてくれる曲で、シンセのドローン音も曲に厚みを与えてくれています。途中からDrsやB, G, オルガンも入ったアンサンブルになるのですが、その展開がまたソウルフルです。
★B3 “Nachtgleiter” (4:06)は、ドラムマシンに合わせて、GやシンセやBがバックを付ける軽めの曲で、Kagermannも抑制的に歌っており、それがまた曲調に良くマッチしています!
★B4 “Halteverbot” (4:26)は、細かく刻むGとメロディアスなBで始まり、DrsとSaxのリフが入ってくる曲ですが、ここでもB1のような何となくコミカルなVoを披露しています。勿論、シンセもグーで、終わり方もドラマチックです。
★B5 “Liebesharmonie (instr.)” (3:37)は、A5のインスト・ヴァージョンですが、ここでは、Kagermannは慣れ親しんだVlnを弾いています。これはこれで情感豊かな曲に仕上がっており、アルバムの締めに最適です!
通してみると、1960年代〜1970年代のソウルフルで、かつ叙情的な曲と歌をたっぷり聴くことができます。私自身は、そう言う音楽を意識して買う方ではないですが、偶に聴くと、若かった頃、特に輸入盤屋もロック好きな友達もいなかった田舎での生活で、どうしても流れてくるニューミュージック(これ、死語ですか?)やフォークソングを聴くしかなかった頃を思い出してしまいますね。それは、決して嫌なこととか悪いことではなく、そう言う音楽も聴いてきたことに意味があると思っています。そんな甘酸っぱい「青春」な気分をも掘り起こしてくれるThomas Kagermannのルーツ・ミュージックを感じ取るとこができる作品だと思います!「昭和」な音楽かもしれませんが、そこら辺の体験をしていない若い世代のリスナーさんにも聴いてもらえたらと希望します!良曲揃いですよ!
A1 “Auch Wenn Beton Mich So Müde Macht” (4:03)
https://youtu.be/-cF9CXARcs0?si=YuAAgASG8AMOCngD
A4 “Amerika” (4:15)
https://youtu.be/MBzqMKFCz5A?si=IL1fHGzDXZnruuzu
B1 “Sag Mir Wo Die Blumen Sind” (3:50)
https://youtu.be/Sov8VDamjDY?si=JZqpzjeYPV-Gd2UR
B3 “Nachtgleiter” (4:06)
https://youtu.be/XopODUvyU_I?si=QZzU98QSOKO7Drst
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