The Tanzdiele “Folgt Den Führern!”

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このバンドほ、バックボーンは全然知らずに、ちょっと視聴だけして、海外通販のついでに購入しました。なので、ちょっと調べてみました。
 バンド名はThe Tanzdiele (ザ・タンツディーレ)で、メンバーは、Piet Klocke (Vo, Flute, G, Drs, Kbd, Synth, Glockenspiel; ピート・クロッケ), Norbert Woike (Kbd, Synth, Sequencer; ノルベルト・ヴォイケ), Achim Grebien (Drs; アヒム・グレビーン)から成り、今回は、ゲストとしてHarry (Electricity)が参加していると書いてありますが、どうもこれはNorbert Wolkeのことのようです。彼等は、The Tanzdieleとしては、本作品である”Folgt Den Führern! (フォルクト・デン・フューレルン;「リーダーに続け!」の意)“ともう1枚のシングルしか出していません。なので、アルバムとしては本作品が唯一です。それで、元々は、The Tanzdieleは、ミュージシャン/キャバレー・アーティスト/ 作家/俳優をやっていたPiet Klocke(ピート・クロッケ)が始めたバンドで、彼は、高校卒業後、ボン大学で最初、心理学と教育学を学び、その後、独逸語と哲学を学んでいましたが、大学を中退。その後、蘭アムステルダムに移り、そこで、色んなファンクやソウル・バンドのギタリストとして2年間演奏しています。再び、独エッセンへ戻ってきて、1980年〜1982年までPiet Klockeはエッセン市立劇場で俳優として働いています。そうして、彼は前衛音楽劇場Kamikaze Orkester(カミカゼ・オルケスター)を始めます。1980年になると、彼はNDWバンドGesundes Volksempfinden (ゲズンデス・フォルクゼムフィンデン)とEBM (Electronic Body Music)バンド The Tanzdieleを始め、前者は6人組でセルフ・タイトルのアルバムを1981年に出して終わっており、この時はパンクとジャズとNDWが混ざった音楽をやっていたようです(今後、紹介予定)。後者は、前述の3人から成り、DAFのようなダンサブルな音楽を演奏したとのこと。当時は、Einstrüzende NeubaudenやDie Kruppsとも対バンしており、1981年に本作品”Folgt Den Führern!“をリリースしています。その後、バンド名をDie Tanzdieleと独逸語風(ややこしい!)に改名し、翌年、ライブ・アルバム”Live”をリリースしていますが、ここではスラップ奏法のBが弾きまくっており、もう別バンドのようです。その後、1983年には、有名な音楽TV番組Rockpalastで、Piet Klocke & Die Sklaven Der Liebe(ピート・クロッケ・ウント・ディー・スクラフェン・デァ・リーベ)として出演しており、その時期にリリースしたセカンド・ソロ・アルバムは”Sklaven Der Liebe (愛の奴隷)”と題されています。その後、Piet Klockeは、ソロ音楽活動を開始し、2006年のアルバム”Luder”で、リリースは止まっています。と調べましたが、ここまでです(すまん!)。
 と言う訳で、The Tanzdiele名義での唯一の作品”Folgt Den Führern!”の各曲をご紹介していきましょう。

★A1 “Musik, Musik, Musik” (2:30)は、不思議なシーケンスとミニマルなDrsの簡素なバックに、正気の無い呪文のようなVoが乗る曲で、所々でピコったシンセやGがSE的に挿入されます。また、歌詞の語呂がやたら良いです。
★A2 “Strandgut” (4:00)は、Drsと叫び声一発のイントロから、ノリの良いビートとシーケンスにシンセのリフがバックを務め、そこに元気一杯なVo/コーラスが乗る曲ですが、所々で挿入されるくすぐったいシンセ音が効いてます。
★A3 “Hatz For The Schatz” (3:00)では、ビープ音のようなB-SynthにパンキッシュなDrsとGのリフが乗りますが、サビでは、一旦落ち着いて、キュートなシンセのリフと奥でノイジーなGも聴取できます。
★A4 “Candy” (3:00)も、太いB-Synthによるシーケンスとノリの良いDrsに合わせて、ハミング〜気怠げな独/英混合歌詞のVoとキュートでイタズラっぽいシンセが乗る曲で、時にサーフっぽいGがちょっと入ります。
★A5 “Die Lachenden Idioten” (3:07)は、精密機械のようなB-Synthのミニマル・シーケンスに合わせて、鉄琴と語るようなVoと打撃のようなDrsから成る曲で、サビではシンセのリフも挿入され、最後はDrsとシンセ以外がフェイドアウトしていきます。
★B1 “Folgt Den Führern!” (2:42)は、始まりはDAFっぽいですが、力強いDrsにシーケンス(B-Synthとシンセ)と単元止めのVoが乗る曲ですが、VoはちょっとだけGabiっぽい部分もあります。
★B2 “Die Kleinen Falschen Dinger” (2:15)は、ノリの良いDrsと捻れたようなシーケンスにVoが乗る曲ですが、上物シンセや時々Gも挿入されてきます。後半のシンセの永遠連打が特徴的です。
★B3 “Wehe! Wehe! Wehe!” (4:24)も、強靭なDrsのビートに、シーケンスにピコったシンセと語呂合わせのような言葉遊び的Voから成る曲で、間奏の上物シンセの音色も良いですが、段々と混沌の中へと埋没していきます。
★B4 “Kinder Von Stufe 10” (3:13)は、モコモコしたB-SynthのシーケンスとDrsの絡みに、控えめなGのメロディと単元止めのようなVoが乗る曲で、後半にはGは激しくなり、シンセのシグナル音も聴こえてきます。
★B5 “Kleine Schlange” (1:30)は、マシンガンのようなB-SynthのシーケンスとアップテンポなDrsに、早口の独逸語Voとキッチュなシンセが色付けする曲で、曲調は「テクノポップmeets パンク」です。
★B6 “Frage & Handbrot” (2:23)は、重いビートにザクザクしたGと重目のB-Synthが絡む曲で、Voも段々と声を荒げていきます。リズムに何ともバネがあるのが特徴です。

 全体を通して聴いた感想は、DAFとかEBMとかと言うよりも、寧ろ、前述の「テクノポップ meets パンク」な印象が強くて、それ程、汗とか筋肉とかは感じませんでした。なので、強いて言うならば、初期P-Model(ファースト〜セカンド・アルバム)をミニマルにして、少しだけパンク要素を減らした感じと言えば良いでしょうか? 勿論、オルガンも使っていませんし、初期P-Modelに特徴的な「ピコンッ」って言うシンセの音色がある訳ではないのですが、何故かあの時代のテクノ・ポップの雰囲気を感じてしまいます。それと、機材とかの関係(Bがおらず、シーケンサーを使っていたこと等)@で、曲はミニマルなBラインが多く、その為、単調に感じるかも知れませんが、それでもアレンジが上手く、ちゃんとメリハリが付いているのも大したものです。そう言う意味で、当時のエレ・ポップ系NDWとは何か違うシンセの使い方(暴発したような電子音のイメージ)をしていると思います。個人的には初期P-Modelは好きなので、このアルバムもお気に入りです!そこら辺の空気感が好きな方にはお勧めします(決して、Dieの方は買わないように!)!!

B5 “Kleine Schlange” (1:30)
https://youtu.be/E4woyYCDT4E?si=ZW6RQPP4QURbA7UH

[partially album]
https://youtube.com/playlist?list=PLLvdvodyj3fJV2UcG6EdF2LJ7ziFd90tM&si=f1UNEJ4TPAqa0x14

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