The Cramps “Stay Sick!”

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またまた、The Crampsです! 今回は、スタジオ録音としては、4枚目(トータルでは9枚目)のスタジオ・アルバム”Stay Sick!”をご紹介します。この作品の参加メンバーは、Lux Interior (Vo), Poison Ivy (G), Candy Del Mar (B), Nick Knox (Drs)で、プロデュースはPoison Ivy自らやっています。また、本作品は、米国CAのHollywoodのMusic Grinderでスタジオ録音されていますが、B6とB7の2曲は、1990年6月にCAのVentura Theaterでのライブ録音となっています。因みに、ジャケの女性は、Ukhan Kizmiazとクレジットされていますが、これはPoison Ivyのことで、この写真はLux Interiorが撮影しています。もうこのジャケだけで音が聴こえてきそうです。因みに、アルバム・タイトル”Stay Sick!”は、1960年代に米国クリーヴランドのTV-8で放送されていたB級ホラー番組のホストGhoulardiの言った言葉をそのまま使っているとのことです。それでは、ご機嫌なロッケンローな本作品の各曲を紹介していきましょう。

★A1 “Bop Pills” (2:24)は、Gのカッティングから始まるご機嫌なロッケンローで、Bが入ったことで、ボトムが安定した演奏になっています。LuxのVoもいつもより安定しているようです。
★A2 “God Damn Rock 'N' Roll” (2:38)は、重めのビートに乗せてのロッケンローな曲ですが、「くそったれのロックンロール」と言う表題が如何にも彼等らしいです。
★A3 “Bikini Girls With Machine Guns” (3:18)は、Nickの強烈なビートに、CandyのBのご機嫌なリフとPoisonの今まで以上にジャラジャラ弾いているGが乗っている曲で、Luxの野卑なVoが冴えています。表題も秀逸!
★A4 “All Women Are Bad” (3:08)も、強靭なリズム隊に、Poisonの自在なGとLuxの狂ったElvis PresleyのようなVoが映えるロッケンローです。表題もイカしていますね。
★A5 “The Creature From The Black Leather Lagoon” (3:10)では、LuxのVoもノってきたのか、吠えたり、震わせたり、唸ったりして歌っていますし、バックの演奏も中々ご機嫌です。最後のGプレイは聴かせてくれます。
★A6 “Shortnin' Bread” (2:49)は、Luxの咆哮とアームを効かしたGから始まるノリの良いロッケンロー・ナンバーで、PoisonのGアレンジが特に細かくて、サーフの味付けもあり、良い感じです。
★A7 “Daisys Up Your Butterfly” (2:38)も、ノリの良いリズム隊とイカしたGのリフに合わせて、LuxのマシンガンのようなVoが炸裂する曲で、間奏のGソロも敢えて抑え気味なところがグーです。
★A8 “Everything Goes” (3:46)では、重めのリズム隊に乗って、LuxがElvis Presley張りに歌いまくっており、初期の曲を思い出します。珍しく、PoisonはファズGを弾いています。
★B1 “Journey To The Center Of A Girl” (4:49)は、何だか明るめのご機嫌なロッケンローで、サーフの要素も入っていますね。ここら辺はPoisonの作曲能が爆発しています。珍しく、LuxのVoにエフェクト掛かっており、後半に段々と崩れていくのもイカしています。
★B2 “Mama Oo Pow Pow” (2:33)は、Voの逆回転のイントロから、LuxのVoが冴えまくるロッケンローで、もうこれだけでもウキウキしてしまいます。
★B3 “Saddle Up A Buzz Buzz” (2:43)は、やや王道のロッケンローから外れたような曲調が、逆に新鮮さを感じさせる曲で、後のホラーロック的な芽生えを感じます。間奏なGソロも異様です!
★B4 “Muleskinner Blues” (2:49)は、GとVoで始まりますが、直ぐさま、ノリノリのビートでぶっ飛ばしまくる曲で。割と一本調子なコード進行なのだすが、アレンジが冴えています。LuxのVoもイカれてます。
★B5 “Her Love Rubbed Off” (2:59)は、割とロマンティックな雰囲気を醸し出した曲ですが、LuxのVoには、やはり野卑なロッケンロー魂を感じます。
★B6 “Her Love Rubbed Off (Live)” (5:04)は、ライブと言うこともあって、単なる「ロックンロール」では終わりませんね、と言うか、随分B5とは感触が変わりますね。リズム隊がしっかり支えていますので、演奏自体は安定しており、PoisonのGも冴えてます。まあ、Luxが何かやってるんでしょうが、、。
★B7 “Bikini Girls With Machine Guns (Live)” (3:30)も、ライブ音源ですが、やや早めのテンポで、PoisonもファズGを弾きまくっています。この手の曲ではノリノリにさせてくれますね。

 いや、もう、The Crampsに関しては、LuxのVoとPoisonのGがあれば、金太郎飴でも全然構わない位、魅力的ですね。また、本作品では、ライブ音源も収録されているので、ライブの場面を妄想する楽しみもあります。とにかく、「ロッケンローはカッコ良い!」を体現しているバンドで、マンネリとかとは無縁のバンドではないでしようか? また、CandyがBで加入したことで、曲のボトムがしっかりしており、それによって、PoisonのGはより自由に弾くことが出来ているように感じました。多分、曲のアレンジなんかにも、同じことが言えるでしょう(曲によってはサーフっぽい響きもあります)。ただ、このアルバムをもって、初期のThe Crampsのビートを支えてきたDrsのNick Knoxが脱退することになります。それでも、本作品はThe Crampsの名作の一つと言えるでしょう!

https://youtu.be/P8sV5AVjGwI?si=Nf1rIfXGx_MZ61he

[full album + others]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nS2L2M68R_33pjVknH8b-Ry1mW8rb5fWA&si=mDziROFeuv2E7ltN

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