Schwarze Bewegung “s/t”

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Schwarze Bewegung (シュヴァルツェ・ベヴェグンク)を知っていますか?私は全然知らなくて、海外通販のついでに購入しました。なので、ちょっと調べてみました。
 メンバーは、Thomas Kohl (Vo), Jürgen Grah (Drs, Synth), Markus Kammann (G, B)の3人で、Discogsで見てみると、1982年に本作品であるアルバムと同様のジャケのシングルを同年に出しているだけで、その後はリリースは無いです。そして、このバンド名ですが、直訳すると「黒の動き」となり、意訳すると「黒人運動」ではないかとも推測されます。または、1950年に発表された画家Willi Baumeisterの作品に同名の作品があります。それらを含めて考えると、恐らく、グループ名は、画家の作品から取られたのではないかと思われます。理由としては、先ず、1982年と言うとまだまだ欧州の黒人運動はそれ程激しくはなかったこと、そしてメンバーに黒人がいなかったことから、そのように推測しました。それにしても、Schwarze Bewegungは、調べても中々ヒットする項目がなく、もうこれで諦めましたaa(すまん!)。
 それで、本作品ですが、これが唯一のアルバムで、メンバーは、Thomas Kohl (Vo, Perc), Jürgen Grah (Drs, Synth, Rhythm Machine D6, Perc, Trumpet), Markus Kammann (G, B, Perc, Trombone)です。内容的には、A面5曲/B面6曲となっています。それでは、この謎多きバンドの各曲を紹介していきましょう。

★A1 “Traumfrau” (2:26)は、独特のシーケンスと生Drsによるアップテンポで軽快な曲ですが、Voはややパンキッシュで、ちょっと違うかもしれませんが、スカっぽいです。
★A2 “Schlager In Allen Kassen” (4:15)は、リズムマシンと硬質なシーケンスに、Voと諧謔的なコーラスワークから成る曲で、アップテンポの為か、ダンサブルかつポップンロールです。シンセのリフも良いです! 
★A3 “Nullerregung” (3:40)は、重めのシーケンスで始まる、やや切羽詰まった感じの曲で、途中のGとDrsの絡みや、間奏でのディレイの掛かったTrumpetも良いスパイスとなっています。
★A4 “Ein Hauch Von Brillianz” (4:50)も、生DrsとBとシンセ(ちょっとCelloっぽい)によるアップテンポでカッコ良い曲で、パンキッシュなVoやGも含めて、カッコ良いです。挿入されるSEもグー!
★A5 “Tanz Auf Dem Vulkan” (4:14)は、スパイ映画のような出だしから、急峻な生Drsのビートに変わったり、また、Gが主導権を握っている曲で、複数でのVoやトランペットもカッコ良いです。シーケンサーと言うよりも手弾きのシンセもグー!
★B1 “Schwarze Bewegung” (4:34)は、彼等のテーマ曲だと思うのですが、シンセのキレや音色とかPerc等のリズムが、アフリカン・リズムを取り入れたフュージョンっぽい曲で、ブレイクはカッコ良いのですが、個人的にはちょっと残念です。
★B2 “Hochsicherheitstrakt” (3:33)は、初期Swansのような重くスローでスラッジーな曲で、シンセよりもBや生Drsが大活躍しています。Gのリフも良い感じです。最後にグチャグチャに成る所も点数高いです。
★B3 “5 Minuten” (2:53)は、一転、アップテンポのパンキッシュな曲で、「5分」もかからず終わってしまいます。シンセよりもGのカッティングが主体で、時々、Trumpetも挿入されます。
★B4 “Strandkorbschlacht Auf Norderney” (3:03)は、BとDrsにスカっぽいキレの良いGで、ダンサブルな曲で、間奏ではシンセとTrumpetが出てきます。コーラスワークも雰囲気が良いです。
★B5 “Terror In Den Straßen” (3:08)では、手弾きのSynth-Bとキレの良いGに生Drsと言う編成で、初っ端と間奏にはTrumpetが出てきます。曲自体の構成も良いです。
★B6 “Traum-Dub” (2:41)は、Synth-BとGとDrsから成る曲ですが、題名通り、割と派手なダブ処理が為されており、途中で出てくるPercや硬質なシンセも新鮮で、丁度、Andy Partridgeの”Take Away”をもうちょっとノリを良くしたホワイト・ダブですね。

 割とメンバー全員、テクもあり、曲もノリが良いこともあって、もう少しバンドが続いていたらなぁと思いました。まあ、その分、狙いが定められなかったようにも思いますが、アップテンポでノリの良い曲も多く、一種のダンスミュージックとも捉えられます。またA面は、シンセとかが主導権を持っており、B面はGが主導権を持っている、その対比も興味深かったです。そして、最後はダブまで持ち出してくる、その発想も良かったです。個人的には、B1のテーマソングがフュージョンっぽいのが残念でした。しかしながら、アルバム全体としては、大いに楽しめましたので、もしこのアルバムを出会う時がありましたら、是非聴いてみて下さい!

A5 “Tanz Auf Dem Vulkan” (4:14)
https://youtu.be/FVZBnZfiKAc?si=zYW9jjoNbCHgPCWq

[full album (曲順は異なります)]
https://youtube.com/playlist?list=PLF_oOM01yURUDQTUWQrpKq5i_xCgmgad4&si=_2g-D88r44MTjkpV

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