SPK “Machine Age Voodoo”

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今回は、ハイパー・ヴィジュアルからメジャーへ行ってしまったSPKが方向転換を決めた問題作”Machine Age Voodoo”を紹介します。私の持っているのは、日本盤ですので、海外盤とはジャケが違います。また、SPKのバイオグラフィーは以前に書きましたので、そちらを参考にしてください。ただ、調べていて驚いたのは、本作品は、名作” Zamia Lehmanni - Songs Of Byzantine Flowers”よりも2年程早く作られていたと言うことです。これにはちょっと驚きました! でも、次々とスタイルを変えていくのは、SPKの真骨頂のようにも思えますね。話を戻すと、何故、SPKの本作品”Machine Age Voodoo”が問題作かと言うと、一つは、かなり分かり易い形で、「ダンス・ミュージック」に舵を切ったと言うこと、もう一つは打ち込み及び女性Voを多用することで、いわゆる「ノイズ・ミュージック」からの脱却を試みたと言うことでしようか。この作品では、基本的には、Sinan Leong (Vo)とGraeme Revell (All Instruments)の2人で、作曲・編曲・作詞・プロデュースが行われており、その他に、Phil Scorgie (B), James Kelly (G), Jeff Bartolomei (Kbd), Sam McNally (Kbd), Graham Jesse (Sax), Mary Bradfield-Taylor (Vo)がヘルプで入っているに過ぎない点も特筆すべきでしょう。あと、メタパー(メタル・パーカッション)の使用云々も言われてますが、そんなに目立つ訳ではないので、それ程取り上げることはないでしょう。また、このアルバム収録曲”Metal Dance”が大ヒットしたことも、オールド・ファンからは「ちょっと違うんじゃね!」と非難されたこともありました(因みに、Neil Hillが自死し、その2日前には、拒食症の合併症でnée NikitenkoことMargaret Hillの亡くなった、その次の月に、このシングルはリリースされています)。それで、本作品は、”Blondie meets Kraftwerk”とか”Mixed Disco-Pop and Sweet Vocals with electronic experimentation (電子楽曲に乗った甘いヴォーカルとディスコ・ポップの混合物)”とまで言われていました。それが良いか悪いかは別として、こう言う方向性も、(ポスト)インダストリアル・ミュージックにはあることを示した作品なのでしょう。内容はA面4曲/B面5曲で、この中にはシングルカットされた曲が2曲(A1 “Junk Funk”とB3 “Metal Dance”)含まれています。どの曲も打ち込みによる強力なマシンリズムとシンセ音とやや甘めの女性ヴォーカルから成っています。まあ、確かにヴォーカルのメロディは如何にもメジャー受けしそうなメロディですし、バックの演奏も、Graeme Revellの音楽的才能が開花したキャッチーな楽音から成っていますので、これが受けない訳が無いとも言えますし、MTVで流れていても、全然違和感はないでしょう。そうして、1888年に、SPKは解散して、Revellは1989年から、映画/映像音楽の道に進み、それなりの成功を得ています。しかしながら、私が信じられないのは、映画音楽に進んだことではなく、この作品の後に4枚目のアルバム”Zamia Lehmanni: Songs of Byzantine Flowers”を1986 年にリリースしていることです❗️そんなSPKの変貌振りを見てみる/聴いてみる意味でも、一度は体験しておいた方が良いかも? とにかく、音楽的には素晴らしい作曲能力ですから❗️

A1 “Junk Funk” (4:04)
A2 “With Love From China” (5:46)
A3 “High Tension” (4:27)
A4 “One World” (4:27)
B1 “Flesh & Steel” (5:23)
B2 “Metropolis” (4:24)
B3 “Metal Dance” (3:39)
B4 “Thin Ice” (3:41)
B5 “Crime Of Passion” (4:47)

“Metal Dance” 12inch Version
https://youtu.be/3jKBMm0V3Hc

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k4Emo6vHEi47ipff5KNkcTYKcnlrDeXHs

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    4AD

    2023/09/05 - 編集済み

    SPKはこれだけ持ってます。
    CDと日本盤帯付きLP
    SPKって切腹の略なんでしょうか?

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      Dr K2

      2023/09/05

      SePpuKu名義でもやっていますが、元々は社会主義患者集団(Sozialistisches Patientenkollektiv)のことです。他にも、Surgical Penis Klinikとかとも名乗っていますよ。

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      オマハルゲ

      2023/09/06

      「セップク」と「サージカル・ペニス・クリニック」名義での活動は知ってましたが聴いた事はなかったです。元々は社会主義~という意味があったのは初耳です。

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      Dr K2

      2023/09/06

      まあ、自殺したオリジナルメンバーのニール・ヒルは元々、精神科病棟に入院していた患者さんでしたから。因みに、そこで働いていた看護人がグレアム・レベルです。

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