気分を変えて ちょっとよりみち   日経新聞 文化欄  「アートが映す科学」

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1492年、コロン(コロンブス)が率いる船団がアメリカ大陸に到達する。

その半世紀前にビザンチン帝国を滅ぼしたオスマントルコが、
地中海交易に高率の関税を課したことなどをきっかけに、ヨーロッパは新たな交易路を求めていた。

こうして始まった大航海時代は、ヨーロッパに一大変革をもたらした。
新大陸やインド洋ルートの確立により経済活動の重心は地中海から大西洋へと移動し結果的にイタリアの衰退をもたらしてルネサンスに幕を引いた。

一方、スペインとポルトガル、次いでオランダとイギリスなどの大西洋沿岸諸国が歴史の表舞台に立っていく。
彼らは世界各地で新たな植物や動物と出会い、未知の植物や鉱物を手にした。
博物学者は、船団に乗って世界中に出かけ、あるいは新しく持ち込まれたものを分類して記録した。
そこにはスケッチが付けられるのだが、新種を正確に伝えるために絵には高い写実性が求められた。

後略 (美術史家 池上 英洋氏記述文を参考にました)

  

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