MUUSEO SQUARE
二つの部材を組んでつなぐ時、木の幹の縦の軸に垂直な断面である木口 (こぐち) に細工を施して接合部の強度を高めるために、板材を直角に組み合わせて継ぐ工法のこと。 継手(つぎて、接手とも表記される) 、仕口 (しくち) とも呼ばれる。各種、伝統的な形があり、仕様、数、大きさ、強度、手間など、接合箇所に応じて使い分けられる。量産に適した「ダボ組み手」が一般的には普及しており、「蟻組み」「五枚組み手」「刻み組み手」「ほぞ組み手」などの加工の難しい組み手を使う家具は少なくなってきている。
椅子の神様と呼ばれる家具モデラー、一脚入魂の仕事
「椅子の神様」と呼ばれる職人が東京にいる。
白州次郎
梅田正徳
喜多俊之
ザハ・ハディド
エアボーン
C&B
アルフレックス
ウィルクハーン
ル・コルビジェ
組手
日本文化は杉とともに。針葉樹を家具に活かす
ウォルナット、マホガニー、チークと聞けば、家具を思い浮かべる人は多いはず。しかし杉と聞いた時はどうだろう。まず連想するのは、残念ながら花粉ではないだろうか。針葉樹は家具には向かない。花粉を飛散させる。どうもネガティブなイメージがつきまとう。太平洋戦争後の復興期に植えられた杉の木が、いま伐り頃を迎えている。当時、最優先課題だった住宅供給の需要に応えるべく国策として大量に植えた杉の木が、現在は上手く活用されず日本の森林管理を悩ませている。グループモノ・モノ編集の書籍『杉でつくる家具』では、肘掛け椅子、ベビーチェア、サイドテーブルなど、いずれも素朴な木肌と洗練されたデザインが融合する魅力的な家具が紹介されている。ページをめくるうちにひとつの疑問が湧いてきた。「本当に杉は家具に向かないのだろうか」東京都国立市の公団住宅の一角にある、シェア工房「クミタテ」を訪ね、同著のテキスト監修をつとめた家具デザイナーの笠原嘉人さんにお話を聞いた。
無垢の木のオーダー家具ができるまで —アオゾラカグシキ會社—
家具についてインターネットで調べていると、「クラシックスタイル」といった言葉を多く目にする。どこの地域の「古典的な様式」の家具なのかそこからは読み取れず、ローカルから離れて均質化されきったことを感じさせるが、家具一つひとつには、これまで積み重なってきた歴史や作り手の考えが反映されていることは間違いない。そこを掘り下げると家具をもっと面白がれる軸ができる気がする。
木考Vol.1 ウォールナット(クルミ)を知る
こんにちは。ミューゼオ・スクエア編集部の高橋です。チーク、マホガニーと共に世界三大銘木と称されるウォールナット。日本語ではウォールナットをクルミと言います。まっすぐな木目にチョコレート色の心材と明るいクリーム色の辺材のコントラストが美しい木材です。この記事ではもう少し掘り下げて、ウォールナットが持つ風合いや、どのような歴史を持つのかを紹介します。
発見、木の個性 〜椅子の神様が紹介する12の銘木〜
椅子の神様、宮本茂紀さんの代表的な仕事のひとつにBOSCOがあります。BOSCOは宮本さんの「それぞれの木の木目の個性や美しさを表現したい」という思いから生まれた椅子。宮本さんが仕事をはじめたころは、一人で椅子作りのさまざまな工程に関わる時代でした。その後家具の量産化がすすむことで使用できる素材が減り、分業が当たり前になります。若い木工職人の間で素材への関心が希薄になりつつある。その状況に危機感を抱いた宮本さんが、自身の勉強もかねて作り始めました。「7〜8種類作ろう」ということでスタートした椅子づくりは、1974年から現在まで断続的に続けられます。これまで200種を越える樹種で作られました。Muuseo Factoryで販売をしている「銘木コースターLegna」にも、その宮本さんの長年の想いが込められています。厚さ1cmの銘木は、手に持つとそれぞれの重みが感じられ、木のサンプル帖よりもリアリティがあります。銘木コースターLegnaに使用されている12の樹種にはどのような個性があるのでしょうか。宮本さんにお話を聞きました。