マイク・ケリーとは?

マイク・ケリー(Mike Kelley・1954年10月27日-2012年1月31日ミシガン州生まれ)は、アメリカ合衆国の現代美術家。アメリカの大衆文化やサブカルチャーに影響を受け、その中に潜む社会問題や闇をポップに表現した作品が特徴的。1970年代後半からは、パフォーマンス・ペインティング・ぬいぐるみ・サウンドなどを用いた、多種多様な作品を発表している。1990年代にはポール・マッカーシー(Paul McCarthy)とのコラボレーションや、1992年にソニックユース(Sonic Youth)が発表したアルバム「ダーティ(Dirty)」のジャケットで作品が使用されるなど、アートの枠を超えた活動も話題となった。最後のパフォーマンス映像は、2011年「Vice Anglais」で、代表作には1987年から制作が始まった「返済できないほどの愛の時間(More Love Hours Than Can Ever Be Repaid and The Wages of Sin)」などがある。新聞「ニューヨーク・タイムズ」では、「過去四半世紀で最もアメリカ美術に影響を与えたうちの1人で、アメリカにおける大衆文化と若者文化の代弁者である。」と賞賛されている。

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TARO NASU那須太郎は話す「60年代のコンセプチュアル・アートを抜きに、現代美術を本当に理解できるのか疑問なのです」

「IF THE SNAKE もし蛇が」という、心をざわつかせるタイトルを掲げた国際展「岡山芸術交流2019」が2019年9月27日に開幕する。

会期中は、岡山市内の歴史文化施設を会場に、18組の作家によるコンセプチュアル・アート作品をみることができる。「アート=絵画鑑賞」というイメージをもつ方ほど刺激を受ける内容となるはずだ。

その総合ディレクターをつとめるのが現代美術を取り扱うギャラリー「TARO NASU」代表の那須太郎さん。那須さんは1998年に江東区佐賀町の食糧ビルディングでギャラリーをはじめ、2008年に千代田区馬喰町に移転。そして2019年港区六本木に拠点を移し現代美術を紹介している。

興味深いのは、TARO NASUがコンセプチュアル・アートを中心に取り扱っていること。那須さん自身「モノじゃないようなもの」と形容する作品にスポットをあてる理由とは?現代アート・コレクターの棟田さんが話を聞いた。

ビデオアーティストCOBRAの原点回帰「言葉で説明できないもの」_image

ビデオアーティストCOBRAの原点回帰「言葉で説明できないもの」

ごく普通の世間的主題や美術史を軽妙に取り入れた映像作品を多く発表しているCOBRAさん。アーティスト・ラン・スペース「XYZ collective」のディレクターとしてその名を耳にしたことがある人も多いのではないだろうか

シュールでユーモア溢れる作品は、鑑賞者をたちまちCOBRAワールドへと引きずりこむ。そのインパクトは日本を飛び越え海外にも伝播し、ニューヨークやチューリッヒのギャラリーでも展示をおこなっている。

直近ではMISAKO & ROSENで加賀美健さんとの二人展「Romantic Comedy」を開催。「アクション」「パフォーマンス」といった美術の形式を取り入れた作品を発表した。近年はアートフェアに囚われるコレクターを揶揄する作品を作るなど批評性にも磨きがかかる。そんなCOBRAさんに今後の展望を尋ねると「原点回帰」と語ってくれた。

COBRAさんの「原点」とはどこにあるのだろう。新たなスタートラインに立とうとしているCOBRAさんに、本企画モデレーターでアート コレクターの深野一朗さんが質問をぶつけた。

世界各地で作品を制作。若き視覺藝術家 リュウ・ジーホンの現在地_image

世界各地で作品を制作。若き視覺藝術家 リュウ・ジーホンの現在地

日常生活や旅先での出来事を多面的にとらえ、独自の詩的感覚を織り交ぜながら物語を紡ぐ台湾出身の作家、劉致宏(リュウ・ジーホン)。

2016年には台北市立美術館が開催するTaipei Art Awardsを受賞。2020年には台北のメガギャラリー「TKG+」で個展が開催されることが決まっている。彼の作品は絵画にとどまらない。インスタレーション、映像、文字、立体など多岐に渡る。テーマごとにさまざまな素材を用いた展示を見ていると、豊かな感性は単一のメディウムだけでは表せないように思えてくる。物静かな青年はどのように制作に取り組んでいるのか。現代アート・コレクターの神田さんが話を聞いた。

フェンス、あるいは過去と未来の境界線。リム・ソクチャンリナは隆盛著しいカンボジア経済への警鐘を鳴らす_image

フェンス、あるいは過去と未来の境界線。リム・ソクチャンリナは隆盛著しいカンボジア経済への警鐘を鳴らす

自然の中に唐突に置かれた1枚のフェンスを捉えた写真。作者はカンボジア生まれプノンペン育ちのアーティスト、リム・ソクチャンリナ(Lim Sokchanlina)さん。シンガポール・ビエンナーレをはじめ様々な展覧会からオファーを受ける彼は現代アートシーンにおいて今最も注目を浴びる若手アーティストの1人と言えるだろう。

彼の作品の特徴を一言で表すと“シンプルで力強いメッセージ性”だ。カンボジアに焦点を当て、経済問題や環境問題に“アート”という形で切り込んでいく。彼の代表作のひとつである「Wrapped Future」シリーズや、最新の作品「Letter to the Sea」は一体何を提示しているのだろう。インタビュアーはアート・コレクターの宮津大輔さん。リム・ソクチャンリナさんが持つ思想世界に迫っていきたい。