ポール・マッカーシーとは?

ポール・マッカーシー(Paul McCarthy・1945年8月4日ユタ州ソルトレイクシティ生まれ)は、カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とする現代美術家。初期は画家として活動していたが、絵画という枠を超越するために身体を絵具やキャンバスとして使う作品が多数ある。1970年代以降はケチャップ・マヨネーズ・体液などを自身になすり付け、タブーとされていた性交や排泄、暴力などのテーマに取り組んだパフォーマンスやビデオ作品を発表して話題になった。アメリカの消費文化に象徴されるようなスーパーマーケット・コミック・ディズニー・ハリウッド映画などを、幼稚なイメージと無秩序なグロテスクをミックスした作品をこれまでに発表してきている。ウィーンアクショニズムの影響を受けたとされるが、本人は自身の作品とは明確な違いがあることを主張している。1982年から2002年にはカリフォルニア大学ロサンゼルス(University of California, Los Angeles・名称UCLA)で、パフォーマンスアート・インスタレーション・ビデオアートを指導している。代表作には2014年に話題になった「Tree」などがある。

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父から娘へ。タグチアートコレクションのこれまでとこれから_image

父から娘へ。タグチアートコレクションのこれまでとこれから

タグチアートコレクションの名で知られる、ミスミグループ創業者の田口弘さんの現代アート・コレクション。

現在、蒐集や管理は長女の田口美和さんに引き継がれ、さらなる広がりをみせている。2018年11月時点で、作品数は約470点。

これほどのビッグ・コレクターならば、「いつかはプライベート・ミュージアムを」という思いがあってもおかしくない。

しかし弘さんも、美和さんも、特定の箱(スペース)をもつことは考えていないという。

かといって、コレクションを自分たちだけの楽しみにすることもない。コレクションの質の高さから、美術館などから出品依頼の声がかかることも多く、むしろ積極的に公開をしている。

過去には、タグチコレクションの名を冠した展覧会もたびたび開催され、来年も北海道内の美術館を巡回する予定だ。

父から娘に引き継がれるコレクション。インタビューで、弘さんは、しばしば実業家としての顔をみせながらアート購入時のアドバイスや、現代アートが持つ力を語った。美和さんからは、ギャラリー巡りを始めたころの意外なエピソードが明かされた。

理想の滑稽さを求めてテイク40。高田冬彦のストレートな性的表現に潜む不完全性への愛_image

理想の滑稽さを求めてテイク40。高田冬彦のストレートな性的表現に潜む不完全性への愛

一度見たら忘れないある意味ショッキングな映像体験。宗教、神話、おとぎ話、ジェンダー、トラウマ、性、BL(ボーイズ・ラブ)など、現代社会が抱えるさまざまなテーマを表現する気鋭の若手アーティスト高田冬彦さん。

彼の作品の特徴はストレートな性的表現に潜む鋭い批評性といえるだろう。普遍的なテーマを独自に分析し大胆に表現。どの作品も緻密に構成されながらもウィットに富んでいてユーモアが効いている。そこには間違いなく揺るぎない1本の軸が通っている。インタビュアーはタグチ・アートコレクションの田口美和さん。高田さんの根本に潜む軸に迫っていく。

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アート業界を盛り上げたい!アート・コレクター夫妻の行動と実践

アート好きを10人集め、「ヴェネチア・ビエンナーレの次の日本代表作家は?」と聞いたとしたら、いったい何人が答えられるだろう。

ヴェネチア・ビエンナーレは、現代美術の国際美術展覧会のひとつであり、その代表作家に選出されることは、世界のアートシーンにおいても名誉なことだ。しかし日本国内では、その扱いがあまりにも小さい。

この状況に課題意識をもちアクションを起こしたのが、現代アートコレクターの長谷川一英さん・惠美子さんご夫妻だ。

E&K Associatesという法人を立ち上げ、作家やギャラリーを独自の方法でサポート。現在は、「ある事情」によりその活動を休眠しているが、聞けばその事情もまた興味深い。

夫婦でどのようにコレクションを楽しんでいるのか。どんな活動で、どんな景色をみたいのか。お話を伺った。

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いまなぜ世界中で「アートや食」が人気なのか。その転換点を考える

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ギャラリーはなくなる?Take Ninagawaが思索する、これからのギャラリストの仕事

名だたるアート・フェアで存在感を発揮する、Take Ninagawa。そのオーナーの蜷川敦子さんは、ギャラリー立ち上げの経緯を「社会的な問題意識や時代背景を共有できる作家と、アートのフレームの中で自分にできることをしたかった」と振り返る。

実際の蜷川さんは、同志ともいえる同世代の作家との横のラインだけでなく、歴史という「縦のライン」も意識し、ギャラリストとしての役割を模索する。

アートの歴史を読み解きながら、作品一つひとつの文脈をすくいとり、マーケットや社会の動きに反応しながら、作家一人ひとりのやり方に寄り添う。そんな蜷川さんに、現代アートコレクターの田口美和さんがお話を聞いた。

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Brand in-depth 第3回 MISAKO & ROSENが理想とする「利益=成功に囚われないギャラリー」

近年、誰それの作品がいくらで落札されたというニュースを耳にする機会が増えた。「予想落札価格を大幅に更新」、「史上最高の売上を達成」といった派手な見出しが躍り、今年5月にもアンディ・ウォーホルの代表作『ショット・セージブルー・マリリン』が約253億円で落札され、20世紀に制作されたアート作品では史上最高額となる落札価格だと話題を集めた。

アート市場が活況を呈しているのは事実だ。2021年の世界美術品市場の規模は約7兆9800億円とも言われ、新型コロナウイルス感染が拡大する以前の規模を上回っている。

そんななか、理想とするのは「利益=成功」という概念に囚われないギャラリーだ、と言うギャラリストがいる。夫婦で現代美術のギャラリー「MISAKO & ROSEN」を営むローゼン美沙子さんとジェフリー・ローゼンさんである。これまで「NADA Miami」や「Frieze Art Fair」、「Art Basel香港」などの海外アートフェアへ積極的に参加しながら国内外のアーティストを発信してきた。アーティストとマーケットの間に立つ彼らはどんな思いで活動しているのか? リチャード・オードリッチの作品に囲まれた空間で、ミューゼオ・スクエア編集長の成松が話を聞いた。