Gorilla Aktiv “Umsonst Ohne Risiko”

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Gorilla Aktiv(ゴリラ・アクティフ)、このバンドのことは、実は私はかなり昔から知っているのです。と言うのも、1983年頃に、メールアートをやっていた頃、チェーンレターと言うネズミ講みたいなことが流行っていて、そんな中で初めてカセット作品を交換したのが、Gorilla Aktivだったんです。確か、その手紙には「我々は電子ポップミュージックをやっていて、貴方のようにノイズ/インダストリアルをやってないが、気に入って貰えると嬉しい」と。そして、同封されていたコピーには、ドラムセットのシンバルが丸ノコになっていると言う強烈なものでした。そんな事で記憶に残っていました。それで、Gorilla Aktivはミュンヘン出身のTommi Eckart (現在は、元NeonbabiesのInga Humpeと共に、エレクトロ・デュオ2raumwohnungをやっています), Nick DeinhardtとIan Moorse (Elaste)のトリオで、全員がSynths, Trumpet, Drs, Perc(ガラス), Xylophone, Timbales(立ちドラム)を分担・担当しているバンドです。彼等は、1982年にライブ・カセット作品”Konsert Koopvaardy Sept. 82”を出しています。また、同年にはスタジオ・カセット・シングル”Va Bane” (C-10)を自主制作でDie Andere Seiteから出して、その後、カセット作品”Gorilla Aktiv 12/82” (C-20)をデンマークのパンク・レーベルNo Århus Cassettesから1983年に出しています。その後、バンドとしての活動は無くなりますが、2005年にWas Soll Das? Schallplattenから、”Va Bane”は、”Nur Für Erwachsene”として7インチ・シングルとして再発しています。
 以上がGorilla Aktivのバイオグラフィーなのですが、本作品は、Discogsの記載によると、A面か1982年録音のカセット作品”Gorilla Aktiv 12/82”収録曲から、B面が1983年録音のカセット作品(Discogsには不掲載)収録曲から成っているとされています(実際、B面の曲はDiscogsに載っている作品にはありません)が、裏ジャケには、A面は1982年の、B面は1983年のデモテープ収録曲の様に記載されています。メンバーは先述の通り、Ian Moorse, Nicholas Deinhardt, Thomas Eckart (Synths, Trumpet, Drs, Perc[Glass], Xylophone, Timbales)のトリオです。因みに、この再発盤には、赤盤、白盤(限定70部)、緑盤(限定230部)の3種類あり、白盤と緑盤は2005年に再発されたもので、本作品の赤盤は、その後、リマスタリングされて、2022年に再々発されたものとなっています(ジャケも異なります)。それで、内容なのですが、A面は独特のユーモアさえ感じさせるエレ・ポップというかテクノ・パンで、B面はやや真面目に作ったエレ・ポップですね。鋭角的なシンセを多用している所とドラムマシンではなく、生ドラムとシーケンサーを使っている所が特徴でしょうか?如何にも独らしいのですが、シンセの音色が初期P-Modelや初期の日本のテクノポップっぽいようにも感じられ、特にA面(A3,A4)で、何処となく曲調もシニカルかつパンキッシュな感じがするのも不思議な感覚です。A5やA6なんかはDevoにも通じるようなユーモラスなシーケンスを使っていますし、A8はノンビートのちょっと実験的な曲です。A9では木琴もシーケンサーとに組合せ、間奏ではトランペットも使われています。A10はA5のヴァージョン違いの小曲です。一方、B面の曲は、マジなエレ・ポップ風で、B1なんかはダンサブルにすら感じられますね。B2もテンポダウンした実験的要素を含んだ曲で、トランペットやテープ音も使われています。B3なんかはちょっと楽しげなノリの良い曲で、B4はドカドカしたビートとシーケンサーとコーラスから成る独逸らしさも感じることの出来る曲です。
 と言う訳で、現在では、本作品は高価で取引されていますが、ちょっと独逸らしいユーモアも感じられるエレ・ポップ或いはテクノ・パンクに興味のある方は是非是非、入手してみて、聴いて下さい!!傑作です!

A1 “Mädchen In Weiss”
A2 “Das Gesicht”
A3 “Spiegelbild”
A4 “Ottos Pornos”
A5 “Die Maske”
A6 “7/6/4”
A7 “Resonanz Katastrophe”
A8 “Umsonst Ohne Risiko”
A9 “Suono Seguito”
A10 “Die Maske (Version)”
B1 “Tuna Rampage”
B2 “1983”
B3 “Kopf Und Bauch”
B4 “Tombstone Blues”

A1 “Mädchen In Weiss”
https://youtu.be/IF5DhxJPbGE?si=iHRgXgdfkDwr5NJC

A2 “Das Gesicht”
https://youtu.be/iEANViwek4g?si=ooH_M7vL0L6WkoLz

A3 “Spiegelbild”
https://youtu.be/SjMgqDVMBrM?si=QOs35uas7tWvIKYt

A4 “Ottos Pornos”
https://youtu.be/3jH41WWpJp4?si=NoP_4lKmA8hV7fqb

A5 “Die Maske”
https://youtu.be/5Cw1rHHdbCQ?si=CZOJPxTnTHxvEPmx

A8 “Umsonst Ohne Risiko”
https://youtu.be/Zsk1FnK67E4?si=MfXmQS6vXpZsBE6Z

A10 “Die Maske (Version)”
https://youtu.be/eS-AIAAIBJU?si=WXjNyZSDvBJCbmNd

B1 “Tuna Rampage”
https://youtu.be/cb5BDWGH5oY?si=cpWSBFoDeC05ZzQA

B2 “1983”
https://youtu.be/d_V7WZAb0Ik?si=uZi_d2QKywbA_SEl

B3 “Kopf Und Bauch”
https://youtu.be/ZyLTlexxtnw?si=rl9UgrBx6_V4ZkMW

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