RLW / Aube “Organized”

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これは、掘り出し物でした! 私自身の推しP16.D4の創設者であり、その後もソロで緻密な音響実験を繰り返してきたRalf Wehowskyこと独のRLWと、1990年代に、たった一つの音源から多彩かつ秀逸な音響デザインを作り続けていた中嶋昭文氏のソロ・プロジェクトAubeとの郵便利用相互コラボレーション作品”Organized”をやっと見つけました。この作品がリリースされた時、どこかで読んだ記事に、中嶋氏が、使った音源はオルガン(Organ)のみで、またタイトルは中嶋氏も敬愛する独Kraftwerkの前身バンドOrganizationから取ったもので、全てに関連があるとのことを書いてらっしゃぃました。これにはヤられたなぁと思いました。なので、この作品は益々期待できますよね。それでは、各曲を紹介していきましよう。あと、Aube/中嶋氏は、2013年9月25日に、呼吸器疾患により夭折しています。

★A RLW “Erased Phasings” (9:41)は、これがオルガンの音かと言う位、茫漠とした濃霧のような音響が続き、やがて、逆回転するパーカッシヴな音のインターバルの後に、鐘のような音と持続音へと変わり、更に電子音のニョロニョロが騒めき始め、最後にやっとオルガンらしい音が出てきますが、唐突に終わります。まるで、何かの短編小説のような曲となっていますが、割と日常を描いたような読後の感想を抱きます。
★B Aube “Embossed Phrasings” (10:06)は、かろうじてオルガンと思われる音がフェイドインしてきたと思ったら、突如、金属質な反復音に代わり、更に異なる反復音も加わって、ジリジリとした音場を形成していきます。意外とこれが、大き目の音なのですが、また突如として、柔らかい小さ目の反復音と持続音に変わります。しかし、更に、回転数をいじったような柔和な持続音に変わって終わります。こちらも短編小説のような曲ですが、途中、やや激しいアクション・シーンもあるようです。

 正直、曲の構成パタンが、両者とも似ており(ただ、Aubeは、途中大き目の音を使っています)、音響系ノイズのアーティストの方が陥り易いパタンだなと思いました。つまり、時間軸に沿って、音響が唐突に変化していくと言う構成で、所謂、カットインに近い手法です。これが偶になら、効果的なのでしょうが、両者共にこの手法を多用しているので、構成の面白さは半減しているようにも思いました。また、RLWも、いつもの「キレ」が感じられない点もちょっと残念でしたが、Aubeの方は、予想通り、ちょいハーシュな音を使ってきましたね。これが、作製されたのが、1990年代であることを考えると、このような挑戦的コラボ企画も、この時代背景や機材の進歩状況を加味して考えると、とんでもないことであり、また、今の私の耳では、聴き流す感じでは非常にに心地良いコラボ作品であることも付加しておきます。

https://youtu.be/r5SM0wObx-o?si=hGFwM5V0UAPbbcyY

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