Silver Apples “s/t”

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私が、Sliver Applesを興味を持ったキッカケは、非常階段/インキャパシタンツの美川俊治さんが、自作の発信機にThe Mikawaと名付けた経緯をインタビューで答えていく中で、Silver ApplesのSimeonのことに触れたことによると記憶しています。しかも、メンバーはたった2人で、ドラムと発信機のみと言うのにも惹かれました。その時は、CDを買って聴いていたのですが、今回、重量盤の再発が売りに出されているのを知って、すぐさまポチりました。まあ、わたくし如きが、紹介するのも恐縮なのですが、一応、紹介しておきます。一言で言うと、Silver Applesは、米国NYCの電子ロックバンドで、初めて、1960年代のロック/ポップミュージック界で、ノン・アカデミックに電子楽器(オシレーター)を使ったバンドで、1967年〜1970年に活動していたデュオとなります。もう少し詳しく説明します。メンバーはSimeon (本名Simeon Oliver Coxe III: Oscillators, Vo)とDanny Taylor (Drs, Perc, Vo)の2人です。元々は、NYCのイースト・ヴィレッジで普通の演奏していたThe Overland Stage Electric Bandで、そこで、Simeonはシンガーでしたが、彼は、1940年代もののオーディオ発信機をステージに持ち込むようになり、どんどん他のメンバーは辞めていき、SimeonとTaylor (Drs)のデュオになって、それを機会にバンド名をSilver Applesに改名します。そして、その後、発信機はどんどん増えていきます。そして、9台の発信機の86ヶ所もあるコントローラーを、両手・両足・両肘で操り、リード、リズム、ベース・パルスを生み出していきます。なので、Simeonは通常のピアノ・スタイルでの演奏はしたことがありません。その後、1968年にKapp Recordsと契約し、本作品でもあるファースト・アルバム”Silver Apples”をリリース、そこから”Oscillations”をシングルカットしています。歌詞はら9曲中7曲に、Stanley Warrenが書いています。実際にWarrenは、1967年の第5回前衛芸術祭にて2人に会っています。その事もあって、Warrenの詩を歌詞にしています。翌年には、セカンド・アルバム”Contact”をリリースし、全米ツアーを行なっています。この作品の録音中、彼等はJimi Hendrixとスタジオをシェアーしており、ジャムセッションして、特別に7月4日には、”Star Spangled Banner”の彼等のヴァージョンを録音しています。それで、セカンド・アルバムのジャケで、飛行機のコックピットの写真を使う為に、Pan Amと契約していますが、裏ジャケに飛行機事故の写真を使ったことから、訴訟問題になり、レコードは回収されています。1970年には、サードアルバムを録音していますが、Kapp RecordsはMCAに吸収されており、リリースは出来ない状態になり、また他の理由もあって、バンドは解散しています。この後、1996年に、英国でSilver Applesのトリビュート盤が出たりして、再評価が高まり、その時に、バンドは再結成され、幻のサードアルバム”The Garden”も1998年に漸くリリースされました。その後のお話しは、また今度にします。
それで、ファースト・アルバムでもある本作品の内容に行く前に、話しを最初に戻すと、Simeonが使っていた発信機のシステムをことを、彼は”The Simeon”と名付けていました。この逸話とその演奏風景の写真を見た時は痺れましたねー。後、注意書きに「聴く前に2回プレイしろ!」とあり、正にその通りにして鑑賞しました。A1 “Oscillations”から、既に雲の上にまで魂が抜けて行ってしまいそうなイかれた音楽が聴こえてきます。ドラムに古いタイプの発信機と歌と言うとても普通の歌物なんて出来そうにない楽器(?)で、何とも不安定な歌を浮遊するが如く歌い上げています。今なら、シンセなんかを使うところなんでしょうが、どうして、Simeonは古い発信機で音楽を演ろうと思ったのか?また、Kapp Recordsはどうしてこの異形のバンドSilver Applesと契約しようと思ったのか?謎は尽きませんね。ビートレスな曲でもあるB2 “Dust”からB3 “Dancing God”の土俗的ドラミングに、祈りのような柔らかいヴォーカルが聴こえ、やがて発信機の出す持続音が絡んでくるのは、後半の絶頂点ですね。そして、B4 “Misty Mountain”の可愛らしい(?)曲で、本作は締められています。全体にはこの異形の構成からは想像できないくらい素晴らしい歌が、この盤からは聴こえてきます。なので、このアルバムが未だに再発され、流通し、拡散し、広くリスナーに聴き続けられるのは、Silver Applesのマジックなのでしょう❗️皆さんの中で、未聴の方は是非とも一度はお聴きすることをお勧めします!期待は裏切らないですよ。

A5 “Velvet Cave” live version
https://youtu.be/zGhUGoCy1NE

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nWjjSryPYyQEW8ohN9Jd3jqHCuv2fLFgk

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