稲垣潤一「Shylights」

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稲垣潤一さんの2ndアルバム
個人的には元祖シティポップというイメージです。
稲垣潤一さんといえば
「クリスマスキャロルの頃には」が
代表曲と思われる方も多いでしょうが…
私の世代であればやはり「ドラマティック・レイン」でしょう!!!
稲垣潤一さん初のスマッシュヒットであり
オリコン最高位は8位、ザ・ベストテンでも9位に入りました
私が最初に聴いた稲垣潤一さんの曲も
このドラマティック・レインでした。

ちょっと余談ですがそのドラマティック・レインは
作曲はあの大作曲家、筒美京平で
作詞は秋元康さんなのですが
秋元さんにとっても初のヒット曲となっています。
放送作家の仕事に物足りなさを感じ
作詞家に転身して極々初期に手掛けた作品です。

で、その「ドラマティック・レイン」の大ヒットを受けて
発売されたアルバムがこの「シャイライツ」です。
1曲目に惜しげもなくヒット曲の
「ドラマティック・レイン」を持ってきていますが
これは「たしかにこの曲はヒット曲でインパクトあるけど
他の曲も決して負けてないぜ!!!」という
稲垣さんの自信ではないかと思います。

いや本当にどの曲もクオリティが高く
最後まで退屈しない1枚なのです。
個人的にはA-3の「(揺れる心に)フェード・アウト」が
当時からめちゃくちゃ好きなのですが
これ、作曲は松尾一彦さんなのですねぇ
ちょっと松尾さんらしくないような気もするのですが
エキサイティングでスリリングでとっても良い曲です。

他にも一風堂の三岳章さん作曲の
A-4「コインひとつのエピローグ」も文句ナシの
名バラードですし
それに続くA-5タイトル曲の「Shylights」も
間違いなく心に染みる良い曲です。
B面に移ると
これまたシティポップの申し子ともいえる
安部恭弘さんのB-2「恋のテクニック」も
リズミカルでとってもいいですし
さらにB-3にはこれも安部恭弘さんの名曲
「ロング・バージョン」が収録されています。
この曲、タイアップが付いた関係もあって
3rdアルバムが出た後になってシングルカットされます。
個人的にもめちゃくちゃ好きな曲です。
何といえない大人っぽさに溢れた曲です。
ちょっと卑怯な男の歌ですけどね(苦笑)

ドラマティック・レインのイメージのせいではないと思いますが
全体的にシトシト雨が降っている感じのアルバムです。
ドラマティック・レイン単体だと
結構などしゃ降りのイメージですが
アルバム全体は霧雨のような霞んだイメージです。
この雰囲気が稲垣さんの歌声に妙に合っています。

ちなみにタイトルでもあり
タイトル曲もある「Shylights」は
いわゆる造語でありこういう単語は本来存在しません
おそらく照れくさいとか少しはにかむとか
そんな微妙な感じを表していると思われるのですが
この曲をしっかり聴いてみると
何となくその微妙な感じが伝わるような気がします。

ひさしぶりに最後まで通して聴いたけど
このアルバムやっぱりいいですねぇ…
しばらくシトシト雨の日のBGMはこのアルバムですねぇ

1983年2月1日

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