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- 2F 昭和のレコード 洋楽編
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Tappi Tikarrass 「Miranda」(+ bonus tracks)
アイスランドから世界の歌姫となった「ビョーク」が
1981年~1983年に在籍したパンクバンド
その唯一のスタジオアルバムが「Miranda」です。
12歳でカバー中心とはいえアイスランド国内でソロアルバムを発売し
国内で爆発的な人気を得ましたが
レコード会社からの2枚目のアルバムの話を断り
「天才少女」の肩書きと決別します。
そして女性のみのパンクバンド、「Spit and Snot」を結成しますが
これもすぐに解散してしまいます。
それから1年後、今度はポップ/ニュー・ウェーブを歌う
「Exodus」というバンドに参加します。
その演奏は一枚のカセットにしか残っていませんが
エクソダスはテレビで取り上げられることもありビョークは再び脚光を浴びることとなりました。
そして「Tappi Tikarrass」で
本格的にプロのミュージシャンとしての活動を開始します。
「Tappi Tikarrass」はその後の「KUKL」や「SugarCubes」に比べると
ポストパンクではなく比較的ストレートなパンクバンドですが
それでもファンク、ロック、ジャズの要素を音楽に加え
当時の他の伝統的なバンドとは一線を画したと思われます。
ちなみにバンド名はアイスランド語ですが
いろいろ解釈ははあると思いますが
わかりやすく訳すと・・・
「あのあばずれのケツにぶちこんでやれ」
。。。というよな意味らしいです。さすが尖ってますねぇ(笑
確かに世界的なソロシンガーとなったあとのビョークに比べると
めちゃくちゃ荒々しいですし洗練さのカメラもありませんが
なんというかこの計算されてないパワーというか
有り余ったエネルギー感みたいなものをひしひしと感じることができて
後の「KUKL」や「SugarCubes」のアルバムよりも
この「Miranda」を聴くことのほうが多いような気がします。
ちなみにこのアルバム…以前から存在を知っていたのですが
さすがになかなか手に入れることができず
入手したのは実はごく最近です。
それもこの「Miranda」はオリジナル盤ではなくて
おそらく後から復刻されたプロモ盤です。
オリジナルの「Mioranda」に収録されている13曲に加え
ビョ-クの77年リリースの最初のソロアルバムでギターを弾いていた
Bjo¨rgvin Gi´slasons のアルバム"O¨rugglega"
(83年アイスランドオンリーのリリース)にビョ-クが参加した1曲と、
90年リリースのアイスランドオンリーのBless' のalbum "Gums"に
ビョ-クがバッキングボーカルで参加した2曲が収録されています。
ちなみにプロモ盤なのでライナーも何もなく
追加トラックの内容を調べるだけでもなかなか苦労しました(笑
追加トラックの3曲はあまりにも「Tappi Tíkarrass」と
方向性が違うので正直浮いてしまいますが
それでも貴重な音源であることは間違いないと思います。
周辺情報ばかりで「Miranda」の内容についての話に入れませんが
とにかく粗削りでパワフルです。
10代ならではのどこにやりようのないエネルギッシュさを感じます。
個人的にお気に入りなのはA-2「Skrið」
A-3「Kríó」、A-5「Tjet」、
A-8(オリジナルだとB-1)「Beri-Beri」
B-2(オリジナルだとB-3)「Sokkar」あたりでしょうか…
いやでもどれもこれも聴きごたえ十分です。
パンクだからと言ってもアップテンポで押しまくる曲は半分くらいしかなく
後はビョークらしいファンキーな不思議な世界が広がっています。
万人にウケる音楽だとは決して思っていませんが
私としては妙にハマってしまうのです…
まぁビョルクさんの音楽は世界的になってからも
万人ウケはしないのは重々わかっていますが…(笑)
1983年12月23日リリース(オリジナルの「Miranda」のリリース日)