番外編 Cyndi Lauper 「A Night To Remenber」

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えっと…なんで「番外編」かというと
ここのコレクションは「昭和のレコード」という括りなのですが
このシンディの3rdアルバムは平成元年5月の発売なのですね。
まぁあまり変わりはしませんが一応「番外編」ということで…(笑

昭和の終わりとともに特に日本ではレコードの姿はめっきり見なくなり
実は私も発売と同時に当時買ったのはレコードではなくCDでした。
でも後でゆっくり書きますがこのアルバムとにかく
どちゃくそ良いのですよ!例え発売から30年以上経っても
いまだにいつ聴いてもいいのですよ!
…となればアナログで聴きたいじゃないですか…
というわけで比較的近年輸入盤で入手しました。
このアルバムの国内盤って見たことないのですが
あるはずなのですよねぇ…中古市場に出てこないなぁ…
いけんいけん、見つけても買いませんよ…お高いでしょうし…

個人的にはシンディのアルバムで最も好きなアルバムなのですが
残念ながら前2作に「比べると」商業的にはあまりよろしくありませんでした。
あくまで「前2作に比べると」です。
普通に考えたら十分にヒットしています。(特に英国チャートでは)
でも個人的にはシンディのアルバムで私はこれが一番好きなのです!
それもぶっちぎりです!!!
5月の発売ですが全体的に「秋」のもの哀しさを感じます。
そのあたりがアメリカであまりウケなかった原因かもしれませんが
でもそれがいいんです!
シンディのむせび泣くようなハイトーンがどことなく切ないメロディに乗って
どこまでも響き渡ります!

テンポ的にもイントロダクション後、
A-2の最初のシングルカット"I Drove All Night"こそ
疾走感が少しありますが
他の曲はなんというか歩いている感じのテンポなのです。
もちろん、一定の歩くテンポではなくて
ゆっくりもの思いにふけって歩くようなテンポや
リズミカルに軽くステップしながら歩くようなテンポとか様々ですが
アルバムを通じてどれも秋の街路樹の脇を
歩くようなイメージなのです。
紅葉の黄色や赤のやわらかな暖色に溢れるイメージです!
(あくまで私の勝手な感想ですが)

A-3の"Primitive"はレンガ敷きの落ち葉舞う歩道を
リズミカルにちょっと緊迫した雰囲気で歩くイメージです!
ダンサンブルでカッコ良いですよねぇ

そしてA-4 "My First Night Without You" は
ちょっと立ち止まりながら切なげにゆっくり歩くイメージです
足元にはプラタナスの落ち葉で溢れているイメージです!
しかしこの曲はめちゃくちゃいいですよねぇ
シンディのちょいハスキーな語りかけやハイトーンが
耳に切なく飛び込んできます。もう泣けますよねぇ…

A-5 "Like A Cat" はまさにタイトル通り
静かにそっとでもリズミカルに歩きます。
まわりを軽快して確認しながらですね!
このアルバムの日本語訳ってほとんど読んでなくって
覚えていないのですが
このアルバムはどの曲も妙に情景が浮かぶのですよねぇ…
それがどれも秋の風景でちょいセピア(笑

次はA-6 "Heading West" これがまた泣けて泣けて
しょうがないほど切なさの溢れる曲です。
同じく秋の風景ですが夕暮れときかな…
シンディの歌声って聴いたことない曲でも
すぐにわかるほど特徴がありますが
この曲は本当にシンディらしい声の良さを
どこまでも引き出しているような気がします。
A-4と並んでこのアルバムで最も好きな曲です!

息つかせぬままA面が終わり
B-1はタイトル曲でもある "A Night to Remember"
これもまた文句ナシに良い曲です。
曲調はA面のイメージをそのまま引き継ぎます。
何かしながら聴き流しちゃうと
確かに同じような曲が続く…ともとられちゃうでしょうねぇ
そのあたりも前2作に比べて地味に聴こえちゃうのかなぁ
それでも私はこの統一されたイメージというか
ストーリー性が好きですが。。。

B-2は"Unconditional Love"
これも何とも切ないというか
語りかけるようなシンディの歌声が心に染みわたります!
やはり全体的に以前のように「はっちゃけて」はいないのですよね
このアルバムは全体を通じてどことなく切なく
少し哀しげなのです…
以前の元気いっぱいのシンディをイメージすると
確かに全然異なるでしょうねぇ
でも以前だって「Time After Time」や「True Colors」で
めちゃくちゃ切なく歌い上げているから
このイメージだって全然シンディらしいと思います!

そう言っているとB-3 "Insecurious" は
少しリズミカルでダンサンブルです。
でもやはりステップ踏みながら軽快に歩くくらいのイメージです。
決して駆け出す…とまではいきません(笑
でもこの曲がアルバムの中でちょっとアクセントになりますね!

続いて B-4 "Dancing With a Stranger" も
ダンサンブルなナンバーです
でも今度はちょっと歩いている最中に
袋小路で寄り道しちゃっているイメージかなぁ…
(すみません、個人的イメージ過ぎてわかりにくいかと…)
B-3、B-4の2曲はちょっとこのアルバムの中では気分転換的な
ファクターもあるかと思います。

そして実質的なラストナンバー
B-5 "I Don't Want to Be Your Friend" は再び
切なくもの哀しくでも前向きに希望を持って
そんなデリケートな心情を
シンディがこれでもかといわんばかりに歌い上げます!
やはりアルバムを通じて統一されたイメージで溢れています。
それが何とも心地よいのですよ
酒飲みながらだと間違いなく飲みすぎそうです(笑

最後はアルバム最初の陰とダクションと対になる
"Kindred Spirit" をエピローグとして静かに終わります。

日本国内盤CDだとこのあとに
映画の主題歌でもでもありシングル曲でもある
"Hole in My Heart (All the Way to China)" が収録されています。
これはシンディらしい元気いっぱいの曲ですが
このアルバムの最後に付けると 
めちゃくちゃ浮きます…(笑

…というわけでデビュー時の元気いっぱいのシンディではありませんが
とにかくこのアルバムのシンディは最高なのです!
さっきも触れましたが
手に入れて33年経った現在でも秋の風を感じると
毎年必ず何度かこのアルバムを聴きこむのですから…

1989年5月9日リリース

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