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- 2F 昭和のレコード 洋楽編
- Dokken「Tooth and Nail」
Dokken「Tooth and Nail」
1984年発売のドッケンの2ndアルバム
デビュアルバムでもある1stは当初ヨーロッパのみで発売でしたが
一部のファンの間でジョージ・リンチの
ギタープレイが話題になったこともあり
その後、アメリカでも発売となりました
この2ndアルバムは最初から最初からアメリカでも発売され
ドッケンの出世作となります。
ドッケンと聞くとHR/HM好きのリスナーは
やはりジョージリンチのギターに注目してしまいがちですが
ジョージのギターは確かに素晴らしく
このアルバムもギターアルバムとしても
相当にレベルが高く聴きごたえがありますが
個人的にはドンのヴォーカルもめちゃくちゃ好きなのですよねぇ
伸びやかで美しいハイトーンは
聴いていてもゾクゾクします。
残念ながらドッケンは生でライブを見る機会はなかったのですが
ドンのヴォーカルは全盛期にライブで聴いておきたかったですねぇ…
このアルバムからはB-4の「Alone Again」が
シングルカットされスマッシュヒットしていますが
この曲なんてまさにドンのヴォーカルだからこその
曲で切々と男の哀愁を歌い上げる名曲です!
いわゆる80年代全盛のLAメタルを代表するバンドというと
ラットとドッケンだと思いますが
基本的にミディアムテンポ「のみ」で押しまくり
意外とパーティーっぽいメジャーな曲も多いラットに比べると
ドッケンもテンポはミディアムが基本ですが
アップテンポのアグレッシブな曲も多いのですよねぇ
で、何といってもドッケンは「暗い」のです!
いや言い方が悪いか…(苦笑)マイナーキーの曲ばかりなのですね。
でも私の好みとしてはこの徹底的にマイナーなのがいいのです!
やっぱメタルはマイナーでないと絵になりません(笑
で、そのアップテンポのマイナーな曲に
ドンのハイトーンヴォーカルと
ジョージリンチの超絶ギターが乗っかるのです!!!
もうカッコ良くないわけがありません!!!
カッコ良さのハイライトはやはりA-2「Tooth and Nail」ですよねぇ
ジョージのソロはこの頃になるともはやメジャーなテクニックである
ライトハンド・トリルですが
そのスピードとスムーズさがハンパないです!!!
ところでジョージリンチって
エドワード・ヴァン・ヘイレンとは対極にある
ギタリストだと思っていて
その作る曲もとにかく「Happy!Happy!Party!Party!」で
どことなく緩いテンションなのだけど
とんでもないフレーズを弾くエディーに比べると
ジョージリンチはどこまでもマイナーで暗く
テンションもピーンと張り詰めて
ある意味クソ真面目にプレイしている感じがするのですね
(あくまで個人的主観です)
でもタイプがちがってもどちらもすごいのが
リフやバッキングまでめちゃ凝っていてテクニカルなんですねぇ
仮にヴォーカルなしで聴いても全く退屈しない程
エキサイティングで楽曲としても完成してるのです…
これってほんとにすごいです…
そういう意味ではミディアムテンポで一見地味な
A-4「Heartless Heart」あたりがバッキングまで含めて
めちゃくちゃ聴きごたえがあります!
しかし…ギターサウンドもブライトでアタックが効いていて
ほんと気持ちよい。。。
さらにそれに続くA-5「Don't Close Your Eyes」のヘヴィさもたまりません
あ、でも忘れちゃいけないのがアルバムラストを
バンド全パートがテクニカルで最高にカッコいい
「Turn on the Action」ですねぇ
ここにあげなかった他の曲も
どれも非常に凝った計算され尽くした造りで
聴けば聴くほど味が出てくるタイプの楽曲が多いです。
80年代のLAメタルを語る上で絶対に外せない1枚だと思います。
1984年9月14日リリース