Asmus Tietchens “4K7”より”Musik Aus Der Granzone” LP1

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初めてAsmus Tietchensの名前を聞いた時、私は独逸のバンド名だと思っていました。それも、ノイズ・ミュージックを演るグループだと。まあ、そんな訳で、Asmusが実は、ジャーマン・ロックの興隆期から現在に至るまで、柔軟に姿勢を変えつつ、凄い音楽的キャリアの音楽家であると後々に知ることになります。そんなAsmusのバイオグラフィーを少し。彼はHematic SunsetsとかClub of Romeと言ったユニット名を語りながら、前衛音楽の独逸人作曲家として活動してきました。Asmusは子供の頃から実験音楽やミュージック・コンクレートに興味を持っており、1965年に初めて実験音楽の録音をしています。特にシンセ、テープ・ループと言った電子楽器を主に使っていたそうです。1970年代になると、Asmusは、プロデューサーのOkko Bekkerと知り合い、何十年にも渡って、タッグを組んでいます。Tangerine DreamのPeter Baumannは、Asmusの録音物(デモテープ)を聴いて、Asmusのファースト・アルバムをプロデュース行い、その結果、アルバム”Nachtstücke”がリリースされています。そして、1980年にAsmusはEgg Recordsと契約します。彼の初期の録音物の特徴はと言うと、より親しみやすいシンセによる電子音楽で、それは、1984年にNurse With WoundのレーベルUnited Diariesからリリースした”Formen Letzer Hausmusuk”から始まっています。しかしながら、彼は段々とより抽象的なコラージュへと移行していき、1990年からは、Humburgで音響学を教えています。以前と変わらず、彼は録音物を作り続けており、今も昔も多作家ですね。そんな彼に再発の刃を向けたのが、同じ独逸の再発専門レーベルVinyl On Demandで、その結果が、この4枚組LPにオマケの7㌅シングルのボックスセットです。
LP1枚目”Musik Aus Der Grauzone”。このアルバムは元々、YHR Tapesこと、York House Recordingsから1981年にリリースされたカセットアルバムの再発です。因みにこのYHR Tapesは、David Elliottが運営してた弱小レーベルながら、電子実験音楽やアヴァンギャルド或いはインダストリアルなどの作品をリリースしていますが、中々の品揃えです。話しを戻すと、この作品でのAsmusは、中々、アブストラクトな電子音楽を演っています。A面は、電子音のみのアブストラクトな曲ですが、秀逸なのがB面一曲目で、電子音にリリカルなピアノやサックスを絡ませた独自の音楽性をみせてくれています。Asmusがよく名前を聞く割に、彼の作品自体がそれ程よく知られていないように感じるのは、彼の音楽の柔軟で自由な音楽性故でしようか?掴みどころがあまり無いと言うか、言葉で表すことが出来ない音楽であるからでしょうか?これは音楽家にとって最高の賛辞だと思います。「音」に従っての音楽なので、言葉(批評)を介さないが故に、どこまでもハッキリとした形を表さないモノなんでしょう、彼の音楽は❗️と言う訳で、B-1”Unter Der Stadt 2”だけで聴く価値はあると思いますよ。あとB-4”Troglodyten”の電子変調ヴォイスもツボですね。

◼️LP1: Musik Aus Der Grauzone
A1 “Resonanz 1” (7:01)
A2 “Resonanz 2” (6:55)
A3 “Nach Unten” (11:46)
A4 “Sysiphos Gliim” (6:50)
B1 “Unter Der Stadt 2” (12:10)
B2 “In Der Ebene” (5:25)
B3 “Clones” (5:06)
B4 “Troglodyten” (5:36)

B1 “Unter Der Stadt 2” (12:10)
https://youtu.be/1_h1CfZK6aU?si=W5Co7xMK_B2m5Ou_

B2 “In Der Ebene” (5:25)
https://youtu.be/zSdD9yDxPe4?si=MkKFl6DKqDkMdWQr

B3 “Clones” (5:06)
https://youtu.be/S1EasLMHLvc?si=OEPFUugcilRgXFar

B4 “Troglodyten” (5:36)
https://youtu.be/vHIz5ZGbhaY?si=y2vUXnPtXbHT05me

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