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- V. A. “Soft Selection ‘84”
V. A. “Soft Selection ‘84”
実は、私はこのコンピレーション・アルバムの存在は全然知らなかったです。なので、1984年の日本のニューウェーブ(ややマイナーな?)を聴いてみようと思って購入してみました。私が知っているのは、この中では、Picky Picnicだけですね。また、レーベルのSoftと言うのも全然知りませんでしたが、どうもこのコンピレーション・アルバムだけしか出していないようです。なので、収録バンドと各曲についてご紹介出来ればと思います。
◉Clä-Sickは、Kazuo Saida (Synth, TR-808, Program), Goro Some (Piano, Synth, Vo, Noises, Program)のデュオで、この名義ではこのコンピにしか参加していません。Goro Someは本作品以前には様々なアルバムに参加しています。
◉La Sellrose Can Canは、Yasuyo Kawakita (Vo), Hiroshi Moriguchi (Synth), Hitoshi Uemura (G), Mahito Fujiwara (B, Synth), Soshi Tanaka (Synth)から成る5人組で、単独作品は無いようで、このコンピの他に2〜3のコンピ・カセットに参加しています。
◉Linoliumは、Seigen Kyu (Synth, PC, Program), Hiroshi (Tapes, TR-808)から成るデュオで、ほぼこのコンピだけしか参加していません。
◉Picky Picnicは、独ATA TAKからもアルバムを出している、Yuji Asuka (Synth, Drs, G)とKaoru Todoroki (Perc, Clap, etc)のデュオです。
◉Pink Labelは、ちーぼー(Vo)とM. Tuno (G, Synth, TR-606)のデュオで、やはりこのコンピにしか参加していません。
◉Nameは、Makiko Nakamura (Song)とHiroshi Matsuyama (Program, Vo, Synth)のデュオで、本作品以外では、2014年のネット・コンピに1曲参加しています。
◉Reverは、Tetsuri Syunnosuke (Vo Performance)のソロユニットで、本作品以外には、1本のコンピ・カセットと2018年のネット・コンピに参加しているだけです。
◉Classic Pearlは、Kazuo Saida (Program, Synth, Vo)とUmi (Back-Vo)のデュオで、本作品以外では、2008年のコンピCDに参加していますが、単独作はないです。
それでは、収録曲を其々、ご紹介していきますね。
★A1 Clä-Sick “Morning In China”は、今一歩初期YMOに追いつけない中華民謡風のドラムレスの曲です。
★A2 La Sellrose Can Can “Aerobicise”は、ディスコ風のドラムマシンに舌足らずのVoが英詞で歌う曲で、バックは唸るSynth-Bとシンセで固めています。
★A3 Linolium “Unit 25”は、声のコラージュから始まり、中華風のメロディのシンセとシーケンサーとキックに、テープ音を挿入させた曲ですが、ちょっとした悪意を感じます。
★A4 Picky Picnic “Sume Ba Miyako”では、シンセで変調させたリズムで始まり、変調Voに通常Voも加えてのサビが中々面白いです。コード進行自体はシンプルです。
★A5 Pink Label “Good Luck”は、一言で言えば、ニューミュージック(シティーポップ)をテクノポップでやっている印象です。Voが当時のシティーポップのように歌い上げています。
★A6 Name “N.H.K.”は、(時にエフェクトを掛けた)テープ音とドラムマシンを中心に、シンセの優しいメロディから成る曲で、バックて流れるシンセは南国風です。
★A7 Picky Picnic “Kibo No Asu”は、オモチャ箱をひっくり返したようなテクノポップで、曲やハンド・クラップなどをコラージュしたようで展開の予測が不可能です。
★A8 Rever “Performan”は、ドラムマシンとエフェクトを掛けたVo(何語かは分かりません)から構築された曲です。時に複数のVoから成る部分もあります。
★B1 Name “Do We All Need Love”は、軽妙なマシンリズムとシーケンスに、雨音のテープ音と思ったら、囁くようなVoが英詞で語るように歌ってきます。間奏のオルガン風シンセも良い感じです。
★B2 Classic Pearl “Pearl”は、大胆なポリ・シンセとマシンリズムで始まり、割とミニマルな展開の曲で、聴き取り辛いVoですが、日本語の歌詞なのでしようか。
★B3 La Sellrose Can Can “Happy Morning”は、ややずっしりとしたマシンリズムとピコったシンセと分厚いシンセのコード弾きに英詞のVoが歌う曲ですが、どうもBも弾いているようです。
★B4 Clä-Sick “Every Night”は、重めのキックとスネアのマシンリズムに、やはり英詞のVoと英国OMiDのような曲調の曲で、中々盛り上がっています。
★B5 Clä-Sick “Black Nile”は、ややスローなテンポなドラムマシンとシンセ音にダブ処理が為されているインスト曲で、ちょっと実験なのでしょうか?この後、隠しトラックが2つ入っています。
私の個人的な意見なのですが、日本のニューウェーブなら、やはり日本語で歌って欲しいこと。英語で呟くように歌っても何も響かないです。それから、時代的そうだったのかもしれませんが、リズムマシンは良い機材を使っているのに、どうもどのグループも「軽さ」を押し出しているのも、何か納得出来ないんですよ。だから、日本のニューウェーブって、良い言い方をすれば「軽妙」、悪く言えば「軽薄」なんですよね。多分、本作品に参加している人達って、業界人かその取り巻きだと思うんですが、そう言うこともあって、どうも色眼鏡で見てしまいますね。そんな中でも、Picky Picnicは、音の面白さや曲構成のアイデアに満ちていて、やはり別格だなと納得しました。皆さんはどう思われますか?
https://youtu.be/C6viA9Ex5as?si=rfhxmvobpx9kqrkE
[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLuGAvXrEzoIn7b_WfbSFwGD4LbDCjenM5&si=Uh9L7uknxA5-_2MK
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