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Human Flesh “Second-Hand Emotions And Half-Forgotten Feelings”
出ました!ベルギーで1980年初頭から活動しているAlain Neffeのユニットの一つであるHuman Fleshをご紹介します。Neffe自身は、Pseudo CodeやBene Gesseritと言ったユニットを数多くやっているだけはなく、Insane Musicと言うレーベルも運営していました。Human Fleshは、1984年前から活動を始めたNeffeのソロユニットで、カセット作品では逆回転を使ったり、ミニマルな実験ポップをやっていたりしています。私が初めて知ったのは、1980年代初頭のカセット・コンピなんかに収録されていたのが、キッカケです。特に、日本のStratosphere Musicの出したコンピに入っていた曲が良くて、何度も聴き返してしました。
それで、調べてみると、実は、1981年にはNeffeはもう
Human Fleshを始めているみたいで、彼自身もグループと言うより、個人的なプロジェクトの一つとして立ち上げたようです。彼は、アルバムに作成に当たって、気心知れた友人であるXavier S (Pseudo Code), Debbie Jaffe (Master/Slave Relationship), Nadine Bal (Bene GesseritのBenedict G), Guy De Bièvre, Daniel Malempré, Mirella Brunelloらに声をかけていました。それで、1985年に、Human Fleshのファースト・アルバム”The 35th Human Attempt”を自身のレーベルInsane Musicよりリリースしています。Human Fleshのキッカケとなったのは、1981年にセコハンの8トラック・レコーダーを購入したからだそうで、機材に焦点を当てた曲を作ろうと思ったこのことです。それまでは、即興で1時間にも及ぶ演奏をしていたみたいです。それて、先述のように、仲間に楽器や声を録音してもらい、数ヶ月〜数年掛けて、音源を集めていたそうです。この場合、友人たちは、他の人がどんな演奏をしているかは知らされていませんでした。彼等の音源を全て知っているのは、Human FleshをやっているAlain Neffeだけです。また、音源を録音する時にエフェクトをかけてもらい、ミックスの時にはエフェクトは掛けないとしています。それらの音源を集めて、ミックスをNeffeがやるのですが、最終的なミックスは、最初のミックスから約1年経った頃に行うようにしていたそうです。このミキシングは即興的であり、彼のクリエイティビティにとっては最も重要な作業だと言うことです。時には、最終的なミックスが終わらない場合もあったとか。この作業自体は、実は私もK2名義で曲を作る時にやっていることで、正にAlain NeffeがHuman Fleshでやっているやり方と似たような手法です。
それで、本作品の内容についてなのですが、録音及びミックスはベルギーのNivellesで、1980年代中半に行われています。A面はSlightly Disturbed Sideとされて4曲、B面はRather Dark Sideとされて5曲収録されています。
A1 “Petite Fille De Marseille”では、Masaki Eguti (Electronic Drums), Alain Neffe (Synth, Prepared-G, Bells, Strings Organ, Casio SK1, Perc), Xavier S (Vo, Ocarina)が参加、複雑なリズムパタンのドラムマシン(因みに、このリズム音源は日本のMasakiこと江口昌記氏のこと)にXavierの粘着質な語りのようなヴォーカルが絡む曲で、結構、複雑な構成から成ります。まるで、ひっくり返ったオモチャ箱のような感じですね。A2 “Déjà Vu”では、Daniel Malempré (G, B), Alain Neffe (Synth, Rhythm Box, Strings Organ]が参加。逆回転のドラムマシンとシンセなどによる短い曲ですが、終わり方はカッコ良い。A3 “The V.A.T.”では、Cor Gout (Vo)とAlain Neffe (Zither, G, Flute, Subliminal Effects)が参加。リズムレスで、ギターとかフルートなどのバックにGoutの芝居掛かった、怪しげな語りが被ってくる曲で、催眠術に掛かったかのような感じがします。A4 “Rock And Roll Stars Are Getting Old And My Favourite Guitar Player Is Selling Ice Cream At The South Coast”では、Alain Neffe (Synth, Rhythm Box, Strings, Ring Oscillator, Bulbul Tarang)とDaniel Malempré (12弦G, B)が参加して、金属質な打楽器とシンセの急降下音からテンポの早いドラムマシンへ。やがて12弦ギターのカッティングからアルペジオへと移り、リズムもフェイドインしてきたと思ったら、パルスのようなシンセ音と歪んだギターと共にノリの良いドラムマシンにまたまた移ってしまいます。中々、ドラマチックな展開です。
B1 “ Louie Louie, Un Au-Revoir”では、Alain Neffe (Synth, Vocoder)とXavier S (Vo)が参加しており、悲しげなワルツのリズムに乗って、Xavierが語り出したり、歌い出したり。しかしながら、メロディは好みです。B2 “What Happened ?”では、Alain Neffe (Flute, Synth, Rhythm Box, Bulbul Tarang, G, Casio SK1, Subliminal Vo)とDanica Marzidovšek (ユーゴスラビア語のVo)が参加。またまた逆回転のバックにDanicaのしっかりした感じのユーゴ語での語りが❗️バックにも暗澹たるシンセが流れてきます。B3 “Un Matin De Plus…”では、Alain Neffe (Rhythm Box, Vo, Synth, Strings Organ)とPatrick Parent (G)が参加。ドラムマシンの凝ったミックスにNeffeのフラマン語(?仏語?)の柔和な語りと緩やかなストリング・オルガンが映える、如何にも欧州的なシャレ乙な曲。B4 “No One But A Shadow”では、Alain Neffe (Text), Nadine Bal (Vo), Deborah Jaffe (Vo)が参加したいますが、2人の女性ヴォーカルの対比が面白い。B5 “Swimming And Dying Around The Sinking Titanic (While Some Sirens Are Singing Their Strange Songs)”では、Daniel Malempré (Synth, Rhythm Box), Alain Neffe (Tape, Noises, Reel To Reel Tape Scratch, Vo), Nadine Bal (Vo)が参加。この曲も優雅なワルツのリズムで、効果的なシンセの音色とテープ・スクラッチのノイズがマッチしています。ミックスも凝っています。本作品の最後の曲として最適で大好きです。ここら辺のセンスは時代的なものを感じます。
総合的には、Neffeのセンスが光る秀逸な作品であると思えます。特にミックスを重要視しているのも高得点です。なので、少し変わったポップ・ミュージックを探している方は一度トライしてみては‼️
https://youtu.be/RlTPcP0UUtE
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