【サブコレクション】蚕種免許印紙 / Silk Worm Egg Revenue
手彫証券印紙を集める傍らで、サブコレクションとして折に触れて入手している蚕種免許印紙を展示するコレクションルームです。
蚕種免許印紙は、当時の日本の重要な輸出品であったカイコの種紙(カイコの成虫であるカイコガが厚紙に卵を産みつけたもの)の検査手数料の徴収と合格証を兼ねて政府が発行したもので、明治5年(1872)に導入され、以降、明治10年まで毎年デザインを変えて発行されました。
このコレクションルームでは、手彫切手や手彫証券印紙と同様に、原版が手彫で作られた明治5年から明治8年の4年間に発行されたものを対象としています。そのうち、明治7年の「国内」と「海外」入り(未発行)と、明治8年の2種類にはまだ出会えていませんので、明治5年、6年と7年発行分を展示いたします。
明治5年から7年に発行された蚕種免許印紙は松田敦朝及び松田門下生による彫刻であるとされており、手彫切手の初期のものと同様の精緻で複雑な職人技が魅力的です。サイズも桜切手の灰色30銭と同じくらいの大ぶりな印紙で、迫力十分です。
切手や(一般の)印紙と比べて圧倒的に存在数が少なく、カタログ評価額もそれなりのものが多くて、機会があるたびに1枚、1枚と入手しているので、コレクションとしては極々限られたものではありますが、手彫証券印紙に匹敵する美しさをお楽しみ頂ければ幸いです。