SCI-FI CITY - 幻の東京ディズニーランド トゥモローランド再開発計画

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1990年代後半に「東京ディズニーランド」の「トゥモローランド」エリアの再開発『SCI-FI CITY』(サイファイシティ)が検討されていました。こちらの資料は、1997年9月2日に策定されたプロジェクト検討フェーズ2: CONCEPT DEVELOPMENT の資料(全68ページ)です。
『Sci-Fi City』計画は、なかなか表に出ている情報や資料がなく、コンセプト、バックグランドストーリーなど不明なことが多いです。
しかし、ウォルト・ディズニーの「ディズニーランドは永遠に完成しない。この世界に想像力が残っている限り、成長し続ける。」の言葉の通り、世界のディズニーパーク、オリエンタルランドでは、新しいテーマパーク、アトラクション、ショー、フード、グッズなど常に検討されているんでしょうね。その中で実現して私たちが目にすることができるのはごく一部で、ほとんどがお蔵入りしているんだと思います。

さて、この計画は、コンセプトから概要設計、1/100スケールモデルの作成まで進みましたが、同時並行で進んでいた「東京ディズニーシー」の計画および建設にディズニー側、オリエンタルランド側も注力することになり、実現には至りませんでした。
ご承知の通り、「トゥモローランド」の再計画は、2022年4月27日に『東京ディズニーランドのアトラクション「スペース・マウンテン」および周辺環境の一新について』が発表され、2027年に新しくオープンする予定です。

『SCI-FI CITY』は、既存のいくつかの施設を新しいコンセプトに合わせて活用&改装しつつ、新しいアトラクション等を建設する計画でした。
『SCI-FI CITY』は、「COSMIC WAY」、「GALATIC CIRCLE」、「CRATER TOWN」、「TECHNO ZONE」の4つのエリアで構成されてます。

COSMIC WAY: 「ビジョナリズム」(現: 「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」)と「ミクロアドベンチャー」(現: 「スティッチ・エンカウンター」)の間の路を『Sci-Fi City』のメインストリートとして位置づけ、1940年代、1950年代にアメリカで描かれていた未来の建物を配置し、未来の技術や機械などを感じさせるエリア。

GALATIC CIRCLE: 現在の「スペース・マウンテン」を改装した「HYPERSPACE MOUNTAIN」およびその前の広場を中心としたエリア。「HYPERSPACE MOUNTAIN」前の円形広場を囲うように、隣の「CRATER TOWN」から伸びる「Rocket Bikes」が橋上を走ります。

CRATER TOWN: 架空の惑星「Manus」。英語では、”a moon”と表現されている箇所があるので、どこかの惑星の衛星という設定のようです。この惑星は非常に強力な重力を持ち、宇宙空間を飛んでいるすべてのものは軌道から引き裂かれ、Magnusに衝突し、沢山のクレーターがMagnus表面には存在しています。このMagnusの鉱山開発している企業「Magnus Mining and Mineral Corporation」が保有するさまざまな工作機械、キャタピラー車両などがクレーターが点在しています。

この惑星の街「Crater Town」からゲストが”Rovers”と呼ばれるヴィークルに乗り、グランプリレースとして惑星の表面を運転するアトラクションが「Lunar Rovers」で、当時の「グラントサーキット・レースウェイ」を一部コース変更したりして改装したライドアトラクションです。

同じくライドアトラクションとして、「Rocket Bikes」という銀河系で一番の速さを競うバイクレースのアトラクションも計画されてました。Magnusでは、強い重量の影響で、宇宙船によるレースができないため、バイクレースを、ということのようです。このレースは、町の境界で秘密裏に行われ、ロケットジョッキーには、銀河の隅々から人間、宇宙人、さらにはアンドロイドまでもが、戦いに参加しにきます。失われた船の残骸を探し回って、貴重なロケット燃料やスペアパーツを探し、バイク競争に勝つというストーリーのようです。

当時の「スタージェット」は、「Flying Saucers」として、スペースシャトルから円盤のアトラクションに改修される計画でした。「Flying Saucers」の特徴として、2人乗りですが、ゲストが横に前後逆方向に乗り込み、円盤が回転しながら飛ぶようです。

「トゥモローランド・テラス」は、「Cantina」という宇宙船内部のようなイメージのレストランに改装の計画でした。

TECHNO ZONE: 既存の「Showbase 2000」、「Star Tours」、「Meet the World」、「Pan Galactic Pizza Port」、「Soft Landin」、「Cosmic Encounter」のアトラクション、フード、ショップなどはほぼそのままに、「Plaza Restaurant」を改装して「Area 51」という、まるで墜落したUFOに乗っていたエイリアンが運営してるような雰囲気(雰囲気とは、バックグランドストーリーは不明で、イメージボードからの私の勝手な解釈です)のレストランにする計画でした。

2027年に生まれ変わる「トゥモローランド」とは全く異なる『SCI-FI CITY』、もし『Sci-Fi City』が実現していたら、、、妄想が広がります。

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