ちょっと気になり買いました⑦

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1983M Nissan Silvia RS-X (S12)
アートフォースとして大ブレークする1世代前のシルビアの初期モデルはFJ 20型2000cc16バルブツインカムターボチャージャーエンジンがエンジンルームに収まり切らないので力瘤の様に大きなパワーバルジをボンネット上に設けた迫力のある超体育会系スポーツカーでした。
ところがMMC時にはデートカーとして人気爆発のホンダプレリュードに触発されたせいか、1800ccへとダウンサイズしてバルジを取り去りつつ一転して草食系路線へ転換し、次期S13型へと繋ぎました。

2015M Honda Grace
アジア地域ではCityのブランド名で展開されているFitベースの4ドアセダンをGraceとして日本に持ち込んでみたものの、日本における4ドアセダンの市場は壊滅状態であることから実を結ぶには至らず、1代限りで消滅に至りました。
ところがアジア市場で引き続き継続する次期モデルは1リッターターボチャージャーエンジンを若干幅を拡げたシャープなボディデザインに搭載し、不評な柴犬デザインでシェアを落としたフィットよりもはるかに魅力的な出来栄えに仕上がっていて打切りは非常に勿体無い様に思われました。
度重なるリコール騒ぎで勢いを失った上にFMCデザイン大失敗で瀕死状態に陥ってしまったフィットに加えて、比較的好調だった姉妹車シャトルまで打ち切ってしまったホンダの経営戦略は益々N Boxしか売れずに低利益率に喘ぐことになり、電動車の開発原資の確保に窮し何れはGMあたりに買収されるよりは継続不能になるかも知れません。

1975M Nissan New Silvia (S10)
高人気のトヨタセリカリフトバックに対抗すべく日産がロータリーエンジンを搭載しながら華々しく打って出るつもりが、オイルショックでロータリーエンジンはお蔵入りとなりました。その流麗なボディだけは何とか有効活用出来ないかと既存のファミリーカー用1800cc4気筒SOHCを搭載して市場に送り出されたのが、ニューシルビアでした。
スタイル的にはセリカリフトバックに見劣りしないものの、平凡なエンジンと時代遅れの板バネリアサスでは歯が立ちませんでした。
その後、トータルイルミネーションシステム等の内装の華やかさを売りにした次期モデルS 11ではセリカの牙城を崩し、更にアートフォースS13ではプレリュードをも凌駕し、スペシャルティカー市場の頂点に立ちました。

1988M Nissan Cefiro
「くうねるあそぶ」のキャッチフレーズで井上陽水の「皆さん、お元気ですか」と助手席から呼びかけるCMで注目を浴びたセフィーロは、トヨタの強力なライバルであったマークII3兄弟に対抗する為にスカイラインとローレルを援護射撃すべくバブル時代真っ只中に華々しく登場したFRスポーティセダンです。
同時期に発売された人気車シルビア同様の丸目四灯が印象的なプロジェクターヘッドライトを備えたシャープで伸びやかなデザインの車体に今は亡き滑らかに吹け上がるRB 20型直列6気筒のエンジンを搭載し発売当初は人気爆発となったものの、昭和天皇の病状悪化に伴う井上陽水のCM音声自粛もあってかその勢いは長くは続かず、マークII3兄弟の牙城を崩すまでには至りませんでした。
2世代目のモデルは米国マキシマをベースとした平凡なFFファミリーセダンへと変貌を遂げてしまい、華やかだったバブル時代の終焉を感じさせました。

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