- Moriziriya Museum
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黒脚市松文なつめ型氷コップ
氷コップの世界では「黒脚」や「エナメル脚」と呼ばれる一群で、ステムからフットにかけて黒色(厳密には濃い紫)のガラスを用いた氷コップを指す。
黒脚の氷コップは多くが棗(なつめ)型か椀形である。明治創業の佐々木硝子が発行した昭和10年代の商品カタログには「新時代の流行品」とあり、昭和一桁のころ制作された、氷コップでは比較的新しいもののようである。
杯部にはあぶり出しで様々な文様が施され、黒脚との対比によって、モノクロのすっきりとした美しい氷コップとなっている。
黒脚の流通量は比較的多く、氷コップの中では求めやすいものであるが、あぶり出しの文様によって値段が変化する。
ここに紹介した、市松文や鱗文はポピュラーな品であり求めやすい。
近年、復刻品として類似する製品が市販されているが、オークションなどでは時代物として売られていることがあり注意を要する。
あぶり出しの文様、フットからステムにかけてのライン、フット裏のポンテ跡の処理痕などをみて判断してほしい。
和ガラス関連の書籍に掲載されている作品と比較するのもよいと思われる。