計量コップ

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九州には現在も酒屋の一角で飲酒ができる『角打ち』という酒類販売のスタイルが残っているが、古くは江戸時代から、酒屋の店頭で酒を提供していたようである。江戸の頃は、升をもって酒を計量し、そのまま提供したことから升酒や升飲みと呼ばれたようだ。時代が下って近代になるとコップで提供するようになり、名称もコップ酒、コップ飲みに変わった。

このコップは白のエナメルで三次小売酒販組合と書かれ、エッチングで100mlライン、すり切れ一杯で200mlを表す表記がなされている。底や器壁も厚く、ある程度乱雑に扱っても割れないような作りになっている。こうした特徴から、酒屋での立飲みや居酒屋などで使われた酒販業務用のコップと考えられる。
こういったコップはたまに見かけるが、ml標記のほかに合や勺といった尺貫法による標記のものも存在する。

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