Hands To “Egress”

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君はHands Toを知っているか? 元々、米国のJeph Jermanのソロユニットで、シアトルに引越した1986年から始まっています。ただ、Hands To名義とJeph Jerman名義の作品が段々と区別できなくなってきたので、1990年代終わりにはHands To名義は使わなくなってきています。最初期にはサンプラー、テープ、テープ・ループを使っていたらしいです。Jeph自身も活動が長く、またリリースも多いのですが、基本的には自然の中にある素材(石、木材、砂利、骨、植物のなど)から微弱な音をコンタクトマイクや通常のマイクでフィールド録音し、その素材を割りと無加工のまま、編集によって構築していくスタイルが特徴の物音系ノイズ・アーティストです。以前に紹介したBlowholeは彼のバンド形態の演奏ですが、ソロユニットでは上記のような活動をしています。彼のキャリアからして、もうアメリカの「物音系ノイズのドン」とも言えるでしょう。Hands Toや本人名義の作品は多数リリースされていますので、どれが良いとかは正直分からないのですが、その中から、本作品”Egress”を選んでみました。多分、コンタクトマイクで拾った音が、カサカサ、コソコソ、ガラガラと、殆ど電子的に加工されることなく、そのまま、無造作に配置されたおり、曲名もなく、レコード化されています。このような一種、禁欲的なスタイルが彼の持ち味ですね。余計なものは要らないと言うべきスタイルで、ジャケもカラー写真を貼り付けただけです。また、コピーシートが一枚付いているですが、文字が読みにくくて、内容はよく分かりません。一方、Jephはコラボレーションも多数やっており、私もHands To名義の彼とコラボ7㌅を出しています。彼に言わせると、最初は「アイデアありき」でしたが、その後は「音ありき」にシフトしていったとのこと。ヨーロッパの物音系ノイズとは異なり、埃っぽい感触のノイズ・ミュージックになっています。皆さんも、興味があれば、聴いてみて下さい。渋いですよー。

[YouTubeに無かったので、別の作品を]
https://youtu.be/fKHEwbmk-X0?si=1sMELcfMSNlvpODI

#HandsTo #Egress #AnomalousRecords #JephJerman #物音系 #FieldRecording #NoiseMusic #USLegend

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