The Cramps “Songs The Lord Taught Us”

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皆んな、知ってるけど、意外とレコードは持ってないバンド、それがThe Cramps! 今回は、Unofficialな再発盤(蘭でのプレス盤)で、オリジナルは、1980年にIllegal Recordsからリリースされたアルバム”Songs The Lord Taught Us (主が教えたもうた歌々)”をご紹介します。これは、彼等のファースト・アルバムですね。なので、メンバーは、Lux Interior (Vo), Bryan Gregory (G), Poison Ivy (G), Nick Knox (Drs)で、B7にはBooker C. (Organ)がゲスト参加しており、プロデュースはAlex Chiltonです。The Crampsのバイオグラフィーは、前回書きましたので、そちらをご参照下さい。個人的には、この頃のThe Crampsを良く聴いていたので、ベースレスのカルテットが一番、しっくりくるようにも思えます。とは言うものの、異形のロカビリーを演奏していた時のThe Crampsの、この作品の各曲をご紹介していきましょう。

★A1 “TV Set” (3:12)は、初期の曲で、ベースレスの編成のロッケンローなんですが、間奏のBryanによるファズGによるノコギリのようなソロは聴きものです!LuxのVoもElvis Presleyっぽいです。
★A2 “Rock On The Moon” (1:43)は、かなりアップテンポなロカビリーで、間奏で崩れかけるのが聴き処か。 あとブレイクの時のDrsってディレイ掛けているのかな?
★A3 “Garbageman” (3:28)は、超有名な曲で、Poisonの単音GのリフとBryanのファズGの絡みが最高ですね。そして、間奏では、音痴気味なノイズGがカッコ良いし、曲の展開もしっかりしていて、最高です!
★A4 “I Was A Teenage Werewolf” (3:05)は、ライブなのかな? 一旦、始まりますが、Luxの喚き声が聞こえて止まります。その後、スローなロッケンローが始まります。Poisonの単音GとBryanのファズGの間で、Luxの性獣のようなVoが響き渡ります。盛り上がりがイカしてます!
★A5 “Sunglasses After Dark” (3:47)では、ファズGの垂れ流しから始まり、やがてDrsがビートを刻み、更にLuxのVoが乗り、そこからPoisonのGのカッティングが加わります。そのアンサンブルに痺れます。
★A6 “The Mad Daddy” (3:16)も、初期の代表曲で、Elvis Presley顔負けのLuxのVoが冴えまくるご機嫌な曲で、それを支える2本のGとDrsも聴きものです。
★B1 “Mystery Plane” (3:40)は、唸り上がるファズGから始まるノリの良いロッケンローで、Luxの煽りまくりますが、Poisonの単調だがしっかりしたGとNickのDrsがちゃんと曲を支えています。
★B2 “Zombie Dance” (1:53)は、ドコドコしたDrsが、異教徒のダンスを想起させる曲ですが、「異教徒風味」やタイトルも、寧ろ彼等がロカビリーの出自であることを表しています。
★B3 “What's Behind The Mask?” (2:06)は、ストップ・スタートを繰り返す曲ですが、ブレイクのGの響きとLuxのVoがセクシーでイカしていますし、Nickのドラミングが際立っています。
★B4 “Strychnine” (2:25)は、割と重めのリズムですが、それなりにビート感もあって、The Sonicsのカバーですね。それにしても上手く昇華していて、The Cramps風に仕上がっています。
★B5 “I'm Cramped” (2:36)では、針金のようなGのイントロから、またまたノリの良いThe Cramps風味のロッケンローを奏でています。間奏のDrsのつんのめり方が何ともカッコ良いです。
★B6 “Tear It Up” (2:31)も、初期の名曲で、彼等のルーツを知るのに最適なロカビリー調のノリノリな曲で、Luxのステージングが直ぐに思い浮かびます。奇声が入っているのも、終わり方も彼等らしいです。
★B7 “Fever” (4:16)は、Poisonによる怪しげな単音Gの調べとNickのリムショットに乗せて、Luxの押し殺し気味のVoと、BryanのGの唸りやオルガンやハーモニカにも痺れる静かなる名曲です。最後も上手く締めてくれます。

 The Cramps(特にLux InteriorとPoison Ivy)は、元々、ロカビリーが好きだったんだと言うことは良く分かるのですが、本アルバムを聴いてみて、曲を支えるPoison IvyのGとNick KnoxのDrsに対して、ノイジーなファズGで異化作用を付与するBryan GregoryのGが対称的で、そこがまた、The Crampsの音的な魅力でもあったと思えます。更に(YouTubeでライブ動画とか観ると分かりますが)、Lux InteriorのVoと言うか、その立ち振る舞いの変態性が、The Crampsを更に異形のロッケンロー/ロカビリー、即ち、元祖サイコビリーへと押し上げたのではないかと思います。そんな初期のThe Crampsの魅力が詰まった本アルバムを皆さんにお勧めします!Let’s Rock’n’Roll !!

https://youtu.be/O42X5AjLBso?si=VH-Rk7ipNSCLihs6

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLDGkLoz_StY59Dc4jSIKxXDEvhiKlEw08&si=Dt_3Ehyr-lr9Oki8

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