Kraftwerk “Ralf And Florian”

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テクノ・ポップの始祖であり、プログレの異端であるKraftwerk(本来なら「クラフトヴェルク」が正しい読みですが、皆さんは「クラフトワーク」と呼んでます)の初期の作品をご紹介します。でもまあ、私より詳しい方はいらっしゃると思いますので、かい摘んで、書いていきます。元々はデュッセルドルフのRobert Schumann大学で現代音楽を学んでいたFlorian Schneider (flutes, synthesizers, violin)とRalf Hütter (organ, synthesizers)とが1960年代後半に出会い、独逸の実験的ロック(クラウトロックは英国からの侮蔑用語的に使われる)をやっており、1970年にOrganisationと言う5人組のバンドとしてアルバム1枚を出します。その後、Schneider氏はシンセに興味を持ち、1970年から4年間、Hütter氏とSchneider氏はデュオとして、多くのミュージシャンとコラボをやり、3枚のアルバムをリリースします。その中に、本作品も入るのですが、その前に、後にNeu!を結成するMichael Rotherがギターで、Krause Dingerがドラムで加わることになり、Schneider氏は電子変調機を通したフルートやヴァイオリン及びギターを演奏しています。この時期にHütter氏はシンセとエレピやオルガンを担当してますが、その後8ヶ月程、一時期バンドを辞めています。そして2枚の実験色の強いアルバムを出しますが、3枚目のアルバム、本作品”Ralf And Florian”を1973年にリリースしました。この時には、Wolfgang Flürが電子ドラムで加入しています。その後、Kraftwerkは電子音楽の傑作アルバム”Autobahn”をリリースし、テクノポップへの道にシフトしていきます。その話しはまた今度。”Ralf and Florian”では、まだ命名されていなかった彼ら自身のスタジオ(Kling Klang studioのことです)とケルンのConny Plankのスタジオで作製され、この頃にPlank氏をエンジニアとしてだけではなく、共同プロデューサーとして迎え入れています。このアルバムは余り評価されていなかったようですが、二人がシンセとドラムマシンに傾倒した作品で、初めてヴォコーダーを取り入れたのだそうです。興味深いことに、英国の音楽ライターの一人は、この作品は60年代のデトロイトのMC5やStoogesからの影響があると書いていますが、私には分かりませんでした。この作品は丁度、過渡期であり、最早、プログレとかクラウトロックとも違うミニマルで、緩やかな面があると思います。A面3曲目のポスト・プロダクションも効果的です。要するに「気持ち良い反復」に貫かれているのです。なので、2008年に、FACTが本作品を偉大なるアンビエント作品20選に選んでいるのも納得です。そんなことを考えながら、本作を聴いてみても良いでしょう。なお、オリジナルメンバーであったSchneider氏は、残念ながら2020年4月に亡くなっています。

A1 “Elektrisches Roulette “4:19”
A2 “Tongebirge” (2:50)
A3 “Kristallo” (6:18)
A4 “Heimatklänge” (3:45)
B1 “Tanzmusik” (6:34)
B2 “Ananas Symphonie” (13:55)

https://youtu.be/YMdd1B9Q1wg?si=CUeFgIRyKuu0w9CE

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