Mexican Leather And Spanish Lace / The 50 Guitars of Tommy Garrett

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 ロマンス路線と、国境の南路線を交互に繰り返す、このポリリズム、あのカンドーがよみがえるっよっ。じゃない50ギターズ。今回は私の好きな国境の南路線。アルバムタイトルもなんか良いですよね。「メキシコのなめし革とスペインのレース」。何がよいかわかりませんが、雰囲気が出ています。とはいえ、選曲を見ると、南に行きすぎてブラジルまで下ってしまった感はややあります。
 実は私このアルバムは50ギターズを集め出したかなり早い段階で手に入れています。このアルバムや、以前「気に入ってる」とご紹介したマリア・エレナを聴いて、50ギターズのイメージが私の中にできあがりました。いつも申し上げている独特の空気感。トミーさんのソロ・ギターに絡みつくように織り込まれた様々なアコースティックの音色。これこそ、50ギターズと呼びたくなります。今、このコメント書くのに調べてみたら、レコードで聴いていたときのことはわかりませんが、ディジタル化してからもっとも再生回数の多いアルバムがこれのようです。と言うわけで、数ある50ギターズアルバムの中で私としてはベスト・スリーに入れて良いかなと思う1枚です。
 1曲目。なんだかモンド感のあるトリッキーなリフにちょっと動揺しますが、まあ、アクセントのようなものです。あとは正統的50ギターズ(そんなものがあるとしたらですが)の世界が展開されます。ホーンが入ったりする曲もありますが、これもアクセントを超えないものでしょう。私の好きな「お馬鹿さん(How Insensitive)」をやってくれたりして、なかなか、サービスがよいのです。
 大阪の漫才で、「ここで笑ろとかんと、もうあと笑うとこないよ!」というのがあります。これに習って、きっぱりと申し上げておきますと、ここで楽しまないと、もうあと楽しむとこないのであります(-_-メ)というのは言い過ぎかもしれませんが、まあ、正直言って50ギターズ最後の大きな花となる1枚です。

Side A
01 Baja
02 A Day In The Life Of A Fool (Manha De Carnaval)
03 Delicado
04 Lo Mucho Que Te Quiero
05 On The Old Spanish Trail
06 My Adobe Hacienda

Side B
01 The Moon Was Yellow
02 How Insensitive
03 Mexican Standoff
04 Mi Casa,Su Casa
05 El Jarabe
06 Mexican Leather And Spanish Lace

1969 / Liberty Records (LSS-14046)

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