In The Mexican Bag / Billy Strange with The Mexican Brass

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 ジャケットで、モズライト持って髭を生やした怪しいメキシコ人がビリー・ストレンジ親分であります。1966年発表のこのアルバムは、エレキインストと言うよりも、ビリー・ストレンジがティファナ・ブラスのリーダーだったらどうなるか?どんな感じか?という狙いの1枚。1曲目はナンシー・シナトラの「憎い貴方」ですが、この頃、親分はナンシー・シナトラのアレンジャー&コンダクターとして彼女を支えていたのです。と言う関係から、裏ジャケには、ナンシーが写真付きで登場。「I OWE HIM A LOT! AND I LOVE HIM A LOT!」と大文字のメッセージと共に、演者紹介をしています。
 私のお薦めはA面の2、4と言う所。特にミッシェルのトレモロ・エフェクトのかかったギターの音はしみじみと、エレキはいいなあと感じさせてくれます。2曲目ではビリー親分の哀愁ギターとそれに絡むキャロルさんのフェンダー・ベースが印象的。ビリー親分のギターの音色は、「Gold Finger」などで聴ける、クリアなトーンです。さりげない和音弾きもポイント高し。
 しかし、A面ラストの「Tijuana Taxi」なんか、ティファナ・ブラスとどこが違うのか???いや、実際、ここから先はクエスチョン・マークが一杯並びそうな曲が続きます。いずれもビリー親分のギターが登場してやっと違いが少しわかるという曲が並んでいるのです。ここで思ってしまうのは、ベンチャーズとティファナ・ブラスは同じ構造だったのじゃないかと言うことです。などと、思いながら聴くと、B面トップの「いそしぎ」のイントロは強烈なパロディになっている気がします。(考え過ぎかな?)
 いずれにせよ、演奏は「本物」です。このアルバムはかつてCD化もされているので、探せばまだ見つかるかもです。

Side A
01 These Boots Are Made For Walking
02 Crying Time
03 Flowers On The Hill
04 Michelle
05 Caliente
06 Tijuana Taxi

Side B
01 The Shadow Of Your Smile
02 Guillermo's Guitar
03 Adios
04 Spanish Eyes
05 A Touch Of Tabasco
06 Hava Tequila

1966 / GNP Crescendo (GNP 2022)

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