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Mr. Guitar . Billy Strange
64年発売のこのアルバムは、現在私が所有しているビリー親分のアルバムの中でも、多様なギター・スタイルを知るのに、もっとも手頃な1枚だと思います。ビリー親分は、自分名義以外の演奏では、かなりアグレッシブというか、攻撃的な演奏を展開します。グレン・キャンベルとスタイル的にはかなり似ていて、キャロル・ケイさんでさえ「時々、どちらが弾いているのかわからなくなる」と、おっしゃています。しかし、ソロアルバムになると、急に大人のスタイルになって、おとなしめの、渋い演奏が多くなり、私はちょっと物足りなく感じるときもあります。しかし、このアルバムは演奏のバランスがほどよく配合されいます。
1曲目「マリア・エレナ」ではガット・ギターとエレキの組み合わせでイージー・リスニング的(最近のタームでは「ラウンジ」ですか?)演奏で幕を開け、お次は、シャドウズをテンポ良くした感じの「Deep Purple」で渋く、大人のエレキを聴かせてくれます。「なんだ、ロックじゃないじゃないじゃない…」いや、大阪弁で行こう。「ロックちゃうやんけ!」と思っていると、3曲目、自らのペンになる「Where Baby's Gone」では、派手なエレキ・インストを聴かせてくれるB面では、得意のアコースティック12絃の演奏が出たり。また、どことなくトワンギーな演奏があったりと、ビリーさんの繊細さと、豪快さを同時に味わうことが出来ます。
ジャケ裏ではビリー親分自ら、12曲の解説を行っておられます。それによると、このアルバムには、ハル・ブレイン、ビル・ピットマン、トミー・テデスコ(なんと「ワシントン広場」ではベースを弾いているそうな!)、バド・コールマン、ジミー・ボンド、レオン・ラッセルなどが参加しているとのことです。
どうでもよいことですが、私、このアルバムは10曲しかない廉価盤、モノラル、ステレオの3種類で持っています。べつに収集したわけではなく、この順で目指すステレオにたどり着いたというだけです。
Side A
01 Saturday Night
02 Maria Elena
03 The Great Escape
04 Dominique
05 Deep Purple
06 Where Baby's Gone
Side B
01 Charade
02 Five Hundred Miles
03 Washington Square
04 There I've Said It Again
05 Kansas City
06 The Third Man Theme
1964 / GNP Crescendo (GNP 97)