鶴田謙二作品集

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 ここまで取り上げてきた「奇妙なコレクション」の中で、日本の漫画を選ぶことは、それこそ奇妙なことかもしれませんが、作者の鶴田さんが言うところでは「漫画家としては1991年に描いた○○○で終わりにしていた〜」とのこと…。作品集が出たのは1998年。
 そんなこと自体が奇妙なことです。本当に「終わり」であれば、作品集など出版されないはず。
 私はその「1991年の漫画家として終わりの作品〜チャイナさんの願い事」で鶴田謙二を知り、彼の「次回」はいつ?と待っていました。これが…いつまでたっても「次回」は出てこない。タイトルの違う別の作品もみんなそんな感じです。
 でも…そんな作者の魅力的な作品を「奇妙なコレクション」に加えることにしました。

○ 鶴田謙二作品集:Forget me not / 講談社, 1998
 この本も「書き下ろしが入る」とのことで結構待たされ、発売日も延期されたのではなかったか?
 この本ではなかったかもしれないけど発売予定日1ヶ月前になっても鶴田さんは「まだ何もしてませんけどどうなるのでしょう?」みたいな本人によるコメント書き込みを読んだのには笑いました。

○ チャイナさんの憂鬱 ; 漫画原稿再生叢書 / 復刊ドットコム, 2020
 1990年頃アフタヌーンコミックに連載されたチャイナさんシリーズの第1話(といっても掲載当時は3回に分載されましたが)の原稿を再現した豪華本。
 A3版のサイズでページめくるのも「少し丁寧に扱わないと折れるかも」と緊張します。
 この写真も、「しまった、直射日光に当たってしまう〜」とヒヤヒヤものです。

日本の漫画家の「奇妙な」といえば、花輪和一、小川幸辰…
日本作家の本棚なら、寺山修司、澁澤龍彦…
 など、いくらか分岐できそうですが… それはまた。

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