球面平凸レンズでソフトフォーカスレンズを作ろう

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昔むかし、とあるゴミ箱から拾ってきた外径φ28mm、焦点距離62mm、材質BK7、ノンコートの球面平凸レンズを引き出しから探し出してきました。
1群1枚、球面がたった1枚しかない最小限のレンズで写真を撮ると、どんな描写をするのか紹介します。

部屋に転がっていた、ペンタックスのSuper-Takumar 55mm F1.8のレンズを用意して、バラしてレンズを全て取り外します。
鏡筒の手前から、絞りユニットの座面に平凸レンズの平らな面を載せ、前群レンズを抜いた筒をねじ込み、適度に芯出ししながらレンズを固定します。
最後に化粧リングを元に戻して、ハイできあがり。
外したレンズ類は、紛失しないように保管しておきます。

球面がたった1枚なので、球面収差は補正不足、色消ししていないので色収差が盛大に出ることを予想。
いつものボールチェンを被写体にして、絞りユニット開放で試写。
奥にピントを合わせると、手前に出るバブルボケが虹色になり、とってもカラフル。
次に、鏡筒の絞りリングをF11まで絞ってボールチェーンの手前側にピントを合わせて撮影。
平凸レンズと言わなければ、誰も気づかないくらいのシャープな描写になる!

白いバラを撮影してみると、絞り開放では完全なソフトフォーカス。ちょっとソフト量が強すぎ。
次に絞りF2.8の位置まで絞った場合、ふんわり適度なソフト量でいい感じ。
絞りF4まで絞ると、右側の手前にあるバラのしべが鮮明になり、真ん中のバラから左のバラへ徐々に滲みが多くなっていく。
花びらの輪郭に色収差による色づきがあまり目立たないのは意外でした。

紅葉している葉っぱは、絞りF5.6の位置まで絞ったもの。
画像周辺部は放射状に流れているものの、中央部分は葉脈が鮮明ですね。

コーティングの無いレンズなので、ちょっと深めのフードは必携です。
富士のボディ(X-S10)→(FXマウント-M42変換リング)→(M42-M42ヘリコイドリング)を間に入れると、ヘリコイドで調整することで無限遠を出すことができました。

チープなソフトフォーカスレンズのできあがり!

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