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EL Nikkor 63mm F3.5
Nikonの引き伸ばしレンズ、EL Nikkor(エルニッコール)63mm F3.5です。
脇本善司氏設計のエルニッコール型(前群ガウス、後群オルソメター)と呼ばれる4群6枚のレンズです。脇本モデルには、63mm F3.5の他に50mm F2.8がありますが、流通量は63mmのほうがが圧倒的に少ないです。
このレンズはマイクロフィルムの撮影用として設計され、EL Nikkorのシリーズの中で最も解像力が高いレンズと言われています。また、色収差補正波長域が近紫外域まで及んでいるのはEL Nikkorシリーズの中でこのレンズだけだそうです。
1980年代はじめ頃に50mmは森征雄氏設計のガウスタイプにモデルチェンジされましたが、63mmのレンズタイプはそのままで、F2.8の少し明かるいレンズ(Nタイプ)になりました。Nタイプは樹脂部品が使われていますので、個人的には金属鏡筒の旧タイプが好みです。
イメージサークルは、マイクロ判(32mm×45mm)以下のサイズに対応しており、35mm判(24mm×36mm)フルサイズは余裕でカバーしています。
データシートによると、フランジバック55mm、マウントはL39ですので、L39→M42変換リング、M42ヘリコイドリングなどを組み合わせると、ミラーレスで無限遠が簡単に出せます。
アゲハ蝶の写真から羽根の部分を切り出した拡大画像を見ると、鱗粉が識別でき解像度の高さを実感することができます。
お花の接写用マクロレンズとしてお気に入りの1本です。