「原石」Ketteneraspis williamsi

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Ketteneraspis williamsiの原石
Haragan Formation, Clarita,
Coal County, Oklahoma, USA
Lower Devonian

二つに割れた原石の断面に、虫体が見えています。この産地でこの断面になるのはKetteneraspis williamsi(最後の写真)しか考えられません。三葉虫は岩に埋まっていますから、外からはどこにあるのか分かりません。CTスキャンを使えばわかりますが、研究所でないと無理でしょう。岩を割って、この様にどこに虫体があるのかを確認してから、岩を元と同じ様に接着します。それから岩を削って、虫体を掘り出してゆくのです。大変に技術と根気を要する作業です。この作業をプレパレーションpreparationと言い、これを行う人をプレバレーターpreparator
と呼びます。優秀・有名なプレパレーターの手になる標本には美術品と言っても良い物があり、大変高価です。この原石の段階では、これは整った個体であろうとは思われますが、自在頬のずれの有無等、全てが整っているかは掘り出してみなければわかりません。全てがうまくいくわけではなく、きれいに整った欠損のない完全体の標本は、大変に貴重であることがわかります。

✳︎本種の詳細写真は、4F: USA産・三葉虫に展示してあります。

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