婆沙羅大名とは?
鎌倉時代末期から南北朝時代に存在した佐々木道誉(ささきどうよ)という武将の別称。当時、派手な格好で身分の上下に遠慮をせずに振舞う者のことを「婆娑羅(ばさら)」と呼び、佐々木道誉はその風貌や生き様から「婆娑羅大名」と呼ばれていた。
普通はとても細かく刻んで使用する貴重な香木を、ひと抱え分も一度に焚き上げたという有名なエピソードがある。政敵であった斯波高経(しばたかつね)が花見の会を開くことを知り、同じ日に佐々木道誉も豪華絢爛な別の花見の会を開いた。これは、京中の文化人たちを自身の会に集め、斯波高経の花見に参加させずに面子を潰すための政治的なパフォーマンスであった。
文芸や立花、茶道、香道、笛、猿楽など、さまざまな文化を保護した文化人としても名を残しており、これらの発展に大きく寄与したと言われている。香の世界においても、佐々木道誉の香木コレクション約180種類は、のちに室町幕府八代将軍 足利義政に引き継がれ、香道の成立に大きく貢献をしたとされる。