ジャック・ピアソンとは?

ジャック・ピアソン(Jack Pierson・1960年生まれ)は、アメリカ・マサチューセッツ州出身のアーティスト。
日常への哀切なフェティシズムを感じさせるスナップ写真で知られ、ナン・ゴールディン(Nan Goldin)やフィリップ・ロルカ・ディコルシア(Philip-Lorca diCorcia)など、写真の話法に共通した特徴がある「ボストンスクール(Boston School)」の一人。1970年代半ばから1980年代初頭にかけてボストンの美術大学や学校を卒業した写真家たちが活躍し始めたことから名づけられた。
写真を主な表現方法として使用しているが、オブジェ制作やドローイング、コラージュなど制作方法は多岐に渡る。メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art、通称:The Met)、ホイットニー美術館(Whitney Museum of American Art)、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(Solomon R. Guggenheim Museum)、ロサンゼルス現代美術館(Museum of Contemporary Art, Los Angeles、通称MOCA)、サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)など多くの美術館に作品が所蔵されている。

RECOMMEND

いま世界で進む商業芸術の再評価。「NANZUKA」が拡張した現代アートの文脈について_image

いま世界で進む商業芸術の再評価。「NANZUKA」が拡張した現代アートの文脈について

少年漫画の原画がルーブル美術館で展示され、「マンガも芸術なの?」と驚きの声があがったことがある。時代をさかのぼれば浮世絵も、日本人がその価値を見いだすより先に、外国人の目を通して評価され、名品の多くが海を渡った。

渋谷にある現代アートのギャラリーNANZUKAは、田名網敬一や空山基など才能は認められていても、芸術としてみなされる機会がなかった作家の作品を、アートの文脈にのせ、世界に勝負を仕掛けている。

NANZUKA代表の南塚真史氏は、どのような姿勢でアートと向き合うのか。現代アート・コレクター/大学教授の宮津大輔氏に話を聞いて頂いた。

父から娘へ。タグチアートコレクションのこれまでとこれから_image

父から娘へ。タグチアートコレクションのこれまでとこれから

タグチアートコレクションの名で知られる、ミスミグループ創業者の田口弘さんの現代アート・コレクション。

現在、蒐集や管理は長女の田口美和さんに引き継がれ、さらなる広がりをみせている。2018年11月時点で、作品数は約470点。

これほどのビッグ・コレクターならば、「いつかはプライベート・ミュージアムを」という思いがあってもおかしくない。

しかし弘さんも、美和さんも、特定の箱(スペース)をもつことは考えていないという。

かといって、コレクションを自分たちだけの楽しみにすることもない。コレクションの質の高さから、美術館などから出品依頼の声がかかることも多く、むしろ積極的に公開をしている。

過去には、タグチコレクションの名を冠した展覧会もたびたび開催され、来年も北海道内の美術館を巡回する予定だ。

父から娘に引き継がれるコレクション。インタビューで、弘さんは、しばしば実業家としての顔をみせながらアート購入時のアドバイスや、現代アートが持つ力を語った。美和さんからは、ギャラリー巡りを始めたころの意外なエピソードが明かされた。

尖ったセンスを持つアート・コレクター。作品との向き合い方は「第一印象」重視?_image

尖ったセンスを持つアート・コレクター。作品との向き合い方は「第一印象」重視?

センスのあるなしを、語ることは難しい。数値化して比べることもできなければ、その有無を判定する基準もないからだ。しかし世間には「センスがあるね」と言われる人がたしかにいる。現代アート・コレクターの神田さんもその一人だ。

モデレーターの深野は、とあるギャラリーで神田さんを紹介された時、着ていた服のセンスの良さに驚いたという。国内のギャラリーや海外のアートフェアでも、しばしばその姿をみかけ、顔を合わすうちに、こんな興味を抑えられなくなった。

「誰もが知る有名ブランドに身を包めば、間違いはない。けれど神田さんは洋服を、人の基準や世間の評価では選ばない。神田さんはそのセンスで、どんなアートをコレクションしているのだろう」

実は"神田さん"とは、仮の名前だ。

神田さんは、極めて私的な行為として現代アートを蒐集し、ふだんは東京・神田で「普通に会社員をしている」という。今回は名前と顔写真の掲載を伏せることで、インタビューに応じてくれた。

取材の日も、セルリアンブルーのロングシャツに、ネイビーのパンツ。奇抜なところはないのに、ハッとさせられるセンスと品に溢れた装いで現れた。

フィルメランジェは「あの時代」を蘇らせるか。スウェットに僕の心が惹かれた理由_image

フィルメランジェは「あの時代」を蘇らせるか。スウェットに僕の心が惹かれた理由

「コットンには思い入れがある」。FilMelange(フィルメランジェ)の3着のスウェットとパーカを並べながらそう切り出したのはミューゼオ・スクエア編集長・成松。フィルメランジェといえば天然素材と日本製にこだわるブランド。成松はフィルメランジェにある可能性を感じているよう。その理由は昔の有名なスウェットにありました。