「上野三橋亭」のリキュールグラス2種

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上野三橋亭で使用されていたと思われるリキュールグラス2種である。上野三橋亭(さんきょうてい)は、明治37年開業で戦前まで上野三橋町(現上野広小路あたり)にあったカフェー(洋食屋でもあった)で、夏目漱石の小説「行人」他、堀辰雄、佐多稲子、徳田秋聲など文学作品にも登場している。
計3脚で、内1脚は杯部が型吹き、エナメルを用いて桜に上野三橋亭本店と屋号がある。残り2脚は薄造りの吹きガラスで、杯部に英字筆記体で「Ueno Sankyotei」とある。どちらも成形が丁寧で、後者に至っては19世紀末のイギリスグラスと見紛うほどの端正な作りである。こういったものは新しく見えて案外古いものであることがある。やはり明治末~大正頃のグラスと見たい。

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