Chu Ishikawa (石川 忠) “Tetsuo (鉄男)”

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日本が世界に誇るカルト映画「鉄男 (The Iron Man)」と「鉄男 II (Body Hammer)」のサントラがこの作品になります。これのサントラを担当したのが、Zeitlich Vergelter→Der Eisenrostの石川忠氏です。映画に関しては、主人公が金属細胞に侵されて、身体が段々と金属化していくと言うもので、塚本晋也監督の代表作になります。丁度、Einstrutzende Neubautenが世界的に認知されてきた時期(1987年〜1992年)と被りますが、この映画の悪夢的幻想をロック・ミュージックとして昇華させたのが、石川忠氏です。彼のバンドDer Eisenrostでは、夥しいメタパーを使用し、それlらを使って特異な音楽(Industrial Music)を奏でていました。ここでは、映画ではなく、先ず、石川氏のバイオグラフィーについて簡単に書いておきます。石川氏は、1966年生まれで、神奈川県出身で、15歳でシンセサイザーに触れ、18歳にして音楽活動を始めています。CHU名義でZeitlich Vergelterのマニピュレーター、ベースで参加しています。同バンドが1986年に解散した後に、自身のバンドDer Eisenrost (「鉄の錆」の意味)を結成、都内を中心に2004年頃までライブ活動をしています。バンド活動と平行して、ソロのメタル・パーカッショニストで活動し、1988年に塚本晋也監督作「鉄男」の音楽を担当したことで、国内外から、その特異なインダストリアル・ミュージックで高い評価を受けています。そして、その後も、塚本監督作の映画のサントラを担当しています。しかしなから、彼は2017年12月21日に、51歳と言う若さで他界しています。
それで本作品ですが、内容は「鉄男(The Iron Man)」と「鉄男II (Body Hammer)」のサントラからの抜粋になります。Der Eisenrostでのメタパー捌きも凄いのですが、ここではサントラと言う縛りがある為か、より多彩な音楽性を聴取することが出来ます。A1 “Megatron”の出だしから、鉄琴のメロディアスのパートから導かれて、ベースやバスドラ及びギターなども加わった落ち着いた曲から始まり、A2 “The Sixth Tooth”は一転して、ドコドコしたドラム(マシン?)とシーケンサーで始まるトライバルかつ躍動的な曲です.この曲に連続して、シンセの重厚な落ち着いた音に移っていく、A3 “Rana-Porosa Porosa I”となります。A4 “Mausoleum“は、割と落ち着いた曲で、リズムパタンはLaibachの如く軍隊の行進を思わせます。B1 “Lost”は、マーチングリズムとシンセの荘厳な鳴りが聴取できる導入から、やがてポストパンクなリズムに変化していくカッコいい曲です。B2 “Dinosauroid”も四つ打ちのキックに、メタパーやシーケンサーなどが絡む突進力のあるミニマルながらも展開のある曲です。B3 “Rana-Porosa Porosa II”は短いながらもミニマルな曲で、B4 “A Burned Figure”は和製笛のような音を上手く使ったメリハリのある曲に仕上げています。
とまあ、これらの曲が実際に映画で使われたサントラで、石川氏から想像すると、意外な程、メロディアスで、またメタパーもそれ程使われていない感じもするのですが、逆に彼の音楽性の深さを思い知らされます。皆さんも 「鉄男」を観た時にサントラにも注意してみてください。因みに、Discogsよると、このレコードは非正規らしいです。

“Megatron”
https://youtu.be/4z10AlFDQfY

Der Eisenrost live
https://youtu.be/uSSPkkawR3w

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