EP-4 “Lingua Franca-X 昭和崩御”

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まだ若い時には、何故か、毛嫌いしていたEP-4。やっと買えたのは、それから38年経ってからです。何にせよ、まあちゃんと聴いておいた方が良いと思いまして。ここで私が紹介するよりも良く知っている方が多いとは思いますが、まあ簡単にバイオグラフィーを。京都の伝説的ニューウェーブ系ディスコClub ModernでDJをやっていた佐藤薫さんを中心にして、1980年に結成されたのが、EP-4です。その時のメンバーは佐藤薫(Vo, Effects), 佐久間コウ(B), ユン・ツボタジ (Perc), 鈴木創士 (Kbd), 好機タツオ (G), 三条通 (Dr)でした。佐藤薫さんは自身のレーベルSkating Pearsや東京のTelegraph Recordsあるいは出版社でもあるペヨトル工房からも作品をリリースしており、それまでのアーティストやバンド或いはレーベルとは違ったメディア戦略で話題になっていました。それで、1983年にファーストアルバム”Lingua Franca-1: 昭和大赦”をリリース。その際に、「EP-4 5.21」戦略を取って、話題になりました。この戦略とは「どうもEP-4がアルバムをリリースするらしい」との噂があり、その際に、”EP-4 5.21”とだけ書かれた6万枚のシールを街中の、至る所に貼りまくり、公安からテロか政治集会かと思われていました。実際に、私もこのシールを見ています。それで、1983年5月21日に、EP-4は京都、名古屋、東京でライブが行なっています。その一方で、同日に発売予定であったアルバム”Lingua Franca 1 昭和崩御”がメジャー・レーベルの日本コロンビアからリリース予定でしたが、この「昭和崩御」と言うタイトルがレコ倫に引っ掛かり、発売が中止になっています。その後、このアルバムは”昭和大赦”とタイトルを変え、ジャケ写も軍鶏から金属バット両親殺害事件の犯人宅の写真(写真家の藤原新也の作品「東京漂流」の写真)に差し替え、やっとリリースされます。当時は、昭和天皇が崩御するかも知れないとのXデイが噂されており、そこに敢えて踏み込んでしまった為、レコ倫に抵触したものと思われます。ただ、EP-4自体は政治的なスタンスは無く、単なる話題性のみでの戦略でした。その後、1984年に、彼等は元々”昭和崩御”に使われるはずであった軍鶏の写真を使って、本作品”Lingua Franca-X 昭和崩御”を翌年、出版社であるペヨトル工房から12㌅EPとしたリリーズします。ライブアルバム”Multilevel Holarchy”やカセットブック”制服・肉体・複製”をペヨトル工房からリリースしています。しかしながら、1990年代になると、リーダーの佐藤薫さんが表舞台から退いた為、バンドはその活動を停止しています。それから、2012年にEP-4として、5/21にライブを行い、復活します。大体こんなところでしようか?色々、チャチャを入れたいところもありますが、この位にしておきます。
それで、本作品ですが、先述のように、オリジナルのジャケ写とタイトルでのリリースで、両面で3曲が収録されています。音楽的なことは今まで言っていませんでしたが、当時から言われてきたのは「汗をかかないファンク」と言うことで、確かに、ソウルフルな面を欠いたファンク調の曲ですね。ただ、音が矢鱈良いので、録音に結構、お金かけてるなぁと感心しました。ただこう言うのって、今まで私が紹介してきたNeue Deutsche Welleのバンドなんかもシンクロするようにも思いますが、EP-4の方が格段に録音技術がよいだけでは?とも思えます。ここら辺は当時の衒学的な面を知っていて、それを肯定的に捉えるか否定的に捉えるか?または当時の状況を知らずに聴くかで、結構、意見が分かれるところではあると思います。ただ、この作品を4000円強も出して、今買ったのはちょっとミス・チョイスだったなぁとも思えます。皆さんはどうですか?それから、復活してからの佐藤薫さんの活動もしっかり観てみたいとは思いますよ。

https://youtu.be/8aI_2KLBwOQ

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