桜石(菫青石) (cordierite) 亀岡市稗田野町芦ノ山 #0132

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桜石は、稗田野町行者山を中心とする約3km四方の地域において、高温の花崗閃緑岩が貫入したことによりホルンフェルス化した泥質岩中のAl、Mg、Si、Oが結合して生じた菫青石が絹雲母と緑泥石の微粒集合体(ピナイト)に変化した仮晶とされています。菫青石の結晶が三つ互いに120°で交叉した貫入双晶が擬六方結晶をなし、その横断面が六枚の花びら状を呈することから桜石と呼ばれています。少し桃色がかって見えるのは細粒の酸化鉄によるものと考えられます。(1~2枚目は背景をソフトウエア処理しています。)

京都府亀岡市の積善寺(しゃくぜんじ)内にある桜天満宮の境内および隣接する南側の斜面一帯の地域では桜石の破片が地表面に多数見られたことから、1922年(大正11年)に指定名称「稗田野村菫青石假晶」として国の天然記念物に指定されました(現在の指定名称は「稗田野の菫青石仮晶」。なお、本標本は指摘区域外で産出したものです。)。また、桜石は日本地質学会により京都府の鉱物に指定されています。

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