ブロシャン銅鉱・黄銅鉱 (brochantite/chalcopyrite) 鐘打鉱山 #0343A/B

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ブロシャン銅鉱は硫酸銅(II)を含む硫酸塩鉱物の1つで、銅鉱床の酸化帯に多く見られる二次鉱物の一種です。自形結晶は柱状ないし針状で、層状や皮膜状の集合をなし、エメラルド緑ないし暗緑色で,ガラス光沢を示します。1つ目の標本(1枚目~4枚目)は黄銅鉱が主体の標本で、2つ目の標本(5枚目~8枚目)は皮膜状に生成したブロシャン銅鉱が表面のかなりの部分を覆っています。(1枚目、5枚目、6枚目は背景をソフトウエア処理しています。)

鐘打鉱山は1921年(大正10年)に大阪の池田梅蔵が金、銀、銅、タングステンを対象として鉱業権を設定したことに始まり、その後鉱業権者の転変を経て、第二次世界大戦時中は重要軍需物質であったタングステンが増産され、1944年(昭和19年)には品位60%の精鉱を143.6トン出鉱した記録が残っています。戦後1949年(昭和24年)に日本タングステン鉱業により手掘・手選鉱で再開、1951年(昭和26年)に鐘打鉱業が設立され、1953年(昭和28年)には戦前の最高生産水準を凌駕、以降1982年(昭和57年)に産出量の減少と輸入精鉱の増加、市況の低迷の影響により閉山するまでタングステン鉱山として日本有数の地位にありました。

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