金銀鉱石 (gold-silver ore) 河津鉱山 堀ノ内𨫤 #0106

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この標本にも見られる銀黒(ぎんぐろ)の主成分は銀の硫化鉱物である輝銀鉱です。輝銀鉱は高温で安定な鉱物で常温では針銀鉱(acanthit)に遷移しますが、通常それを含めて総称的に輝銀鉱と呼ばれています。輝銀鉱は最も重要な銀鉱石の一つで、本標本では石英質の母岩中に渦を巻くように生成している輝銀鉱が見られます。(1~2枚目は背景をソフトウエア処理しています。)

河津鉱山(蓮台寺鉱山)は浅熱水金銀鉱床の鉱山で、金、銀、銅、亜鉛、鉛、マンガン、テルル等、多様な鉱物を産出しました。河津鉱山の歴史は古く、1596年(慶長元年)には開発されていたと言われます。1915年(大正4年)に現在のJX金属の源流企業の一つである久原鉱業が買収し稼業しましたが、1959年(昭和34年)に閉山しました。

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