クラウス・テンシュテットのマーラー/交響曲第7番ホ短調 『夜の歌』

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グスタフ・マーラーの9曲の交響曲の中で、かつてLPレコードとしては最も様々な指揮者の演奏を所有していたと思う。とてもじゃないが、全部をもう一度CDで集めることはできない。だけど、意外なことにDBXノイズキャンセリングで録音したメタルカセットはほとんどすべての当時のLPレコードの演奏が手元に残っている。長く置いておくとテープ表面にガイドの歪が起こることから、10分間の無音の状態でテープを回したところからダビングしている。他人に貸すとテープはまわっているのに全然音楽が聞こえないと文句を言われたりした。
この演奏は第7番のものとしては一番気に入っていた。
テンシュテットは東ドイツ時代に西側に亡命しロンドンフィルの音楽監督に迎えられる恐らく数年前から咽頭がんであったのではないか。1993のこのロンドンフィルとのライブを最後にタクトを置いている。彼のマーラーの第10番の断片の煉獄のアダージオは凄絶だった。
現代の指揮者なんだけど、フルトヴェングラーを想起するような指揮姿がその音楽性の思いがけない頑迷さを教えてくれた。ボクはどっかの評論家の伝聞だと記憶しているが、、その指揮ぶりはまるで『石をぶつけられたコウノトリ』のようだという非常にフルトヴェングラー的な個性と音楽性を持った反現代的指揮者だと感じている。という意味合いの評をどっかで見るか聞くかしていて、いまだにそれが僕の頭から離れない。
彼の活躍した時期は短い。71歳という今年の夏ボクに近寄ってくる年波にこの世を去っている。

ただ、彼をもってしてもボクはいまだにこの曲のいい聴き手にはなっていないようだ。
それでも、ボクはこの曲を聴く時間と気力がある時、選ぶのはこの演奏です。

第1楽章:緩やかに~アレグロ・コン・フォーコ
第2楽章:≪夜の歌≫アレグロ・モデラート
第3楽章:≪影のように≫
第4楽章:≪夜の歌≫
第5楽章:アレグロ・オルディナリオ

ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団,マーラー,テンシュテット(クラウス)
• 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
• 発売日: 1998/03/11

https://youtu.be/iOALu1OTgTQ?si=WO8tiqRBSj0DAS9i

なお、この第7番については描き足りないことをLabに綴ります。


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