プレミアカード 4 スコミムス

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約1億2500万年前から1億1200万年前のアプチアンからアルビアンにかけて現在でいうニジェールに生息した、スピノサウルス科に属する獣脚類の恐竜の属。エルハズ累層(英語版)から産出した部分的な骨格を元にポール・セレノらが記載・命名した。頭骨は長く上下に浅くワニのものに似ており、属名の由来もそれである。タイプ種 Suchomimus tenerensis は最初の化石の産地であるサハラ砂漠のテネレに由来する。

復元された頭骨の所蔵 ユタ州の古生物博物館
大半の巨大な獣脚類恐竜と違い、スコミムスの吻部は非常に長く上下に低く、顎は狭く、前方に突き出した前上顎骨と上顎骨枝から形成されていた。前上顎骨は外鼻孔から上顎骨を超えて上へ向いた枝を持っていた。顎には円錐形の122本の歯が並び、尖っていはいたが鋭利ではなく、わずかに後方へ曲がって細かい鋸歯状構造を纏っていた。吻部の先端は横に肥大し、左右それぞれに7本ずつ歯が並び、下顎にも対応する位置に同数だけ生えていた。その奥では上顎骨に左右それぞれ最低22本、歯骨に左右それぞれ32本が生えていた。

上顎には下側へ飛び出た顕著なうねりがあり、この上顎骨の突出して曲がった部分には頭骨全体で最も長い歯が生えていた。頭骨は主に魚類を食べるワニのものを彷彿とさせる。上顎骨の内部の骨の棚は互いに遠距離で相対し、吻部を堅くする閉じた二次口蓋(英語版)を形成した。外鼻孔は長く、狭く水平に位置しており、これは眼窩の前に開いた巨大な前眼窩窓にも当てはまった。頭骨の後方はあまり知られていないが、短い方形骨が方形頬骨から巨大な二次孔により分けられていることが分かっており、これは間違いなく上下に低かった。下顎は大きく伸びて狭く、歯骨が互いに正中線で接触しているため強固な構造が形成され、下顎はねじりの力に対して強度を増していた。

全長9 - 11メートルで体重2.5 - 5.2トンであったが、ホロタイプ標本は完全に成長しきっていなかった亜成体と思われえる。

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