Mr.Children  深海  1996年6月リリース 初のコンセプトアルバム

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発売の際のロット不良のトラブルとかいろいろあったアルバムだけど、すでにこのアルバムを提示するまでに、彼らは様々なスマッシュヒットを準備できたが。そのほとんどがこのアルバムのコンセプトに合わないことから外されている。

1 Dive
2 シーラカンス
3 手紙
4 ありふれたLove Story~男女問題はいつも面倒だ~
5 Mirror
6 Making Songs
7 名もなき詩
8 So Let′s Get Truth
9 臨時ニュース
10 マシンガンをぶっ放せ
11 ゆりかごのある丘から
12 虜
13 花-Memento Mori-
14 深海

録音はN.Yのウォーター・フロント・スタジオでその大半が行われている。(1995年12月下旬から1996年3月)60-70年代のビンテージ機材を使用したアナログレコーディング。少しエコーが勝ったアコースティックなサウンドとスモーキーな歌声とエイトビートが独特の雰囲気を醸す。

ドビュッシー張りの印象派風序奏に続き一曲目のシーラカンス

このアルバムはあくまで私見だけど、当時のミスチルのコンセプトアルバムとして様々な余剰を削れるだけ削った、渾身の傑作アルバムです。
売れる売れないではなく、アーティストの様々に張り巡らされたアンテナの中で進む道をきめず、ただヘビーウェイトの言葉と旋律を刻んでいく。有機的にまとまった傑作ですね。
アンディーウォーフォルの『ホット・シート』(電気椅子)に触発されたジャケットの唯我独尊感が恐らく桜井氏の頭の中にふつふつと湧いて出、終わりのないように思えた詩と音楽の連携が冷徹に削られ、加筆され、選別されている。ミスター。チルドレンが当時テレビCMや映画の挿入歌でヒットチャートに出たにもかかわらず、ここにしっかりと自分の立ち位置を持っていたからこそ今の息の長さを保っている要因だと思う。
今、似たようなサウンドや彼らからスタートしたサウンドが、若い人たちの共感を得ている。顕れては消える泡沫のようなアーティストでは表現しきれない音と言葉の融合がこのアルバムには個性的に輝いている。

https://youtu.be/DJQ7Pxbp44c?si=vV4EAAk7ZX9ZTq5V

ラスト・ナンバー『深海』から聞えてくる旋律は思いもかけぬビートルズ。根っこが見えた。

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