1988 WM P88・プジョー
行きつけのミニカー屋さんの特注品(再販品)として販売されたもので、会誌を読んでビビッと来てしまい、即注文しました。 1988年のル・マンは、ジャガーがポルシェの連勝を止めたことが有名ですが、もう一つ個人的には「これぞル・マン!」とも言うべき、印象的な出来事がありました。 それは、1976年からル・マンへの参戦を続けているWMが、総合優勝から最高速度記録へと目標を変えて挑んだことです。 サルテ・サーキットには、6キロに及ぶ超ロングストレート「ユーノディエール」があり、ここでの最高速度は毎年注目されていました。 そして技術の向上と共にどんどん最高速度がアップし、1982年から始まったグループCの時代にピークを迎えます。 WMというのは、プジョーのエンジニアだったウェルテルさんとムニエさんの頭文字を取った名前のチームで、プジョーからサポートを受けてル・マンに挑戦していましたが、グループCの時代になると“草レース”の延長では無くなってしまい、そう簡単には上位に食い込めなくなってしまいました。 そこで歴史に名を刻むべく考えたのが「最高速アタック」だったのです(という勝手な想像です)。 950psを発揮したと言われるプジョー製3ℓV6ターボに、ドアミラーはおろかフロントタイヤまで覆われた独特のボディを被せたこのマシンは、決勝レース中に410km/hを超える速度でユーノディエールを駆け抜けました。 そして歴史に残った記録は「405km/h」。 一説には、絶賛発売中だったプジョー405に合わせたとか・・。 1990年に安全上の理由から、ユーノディエールは2つのシケインが設けられ2kmずつのストレートになってしまったため、おそらくこの「直線番長」の記録が今後破られることはないと思われます。 モデルは、カバーされたドアミラーや半分しか見えないフロントタイヤはもちろん、個人的に大好きなライト周りのテーピングも再現されており、メタリックグリーンの色合いもビザールのものより実車に近づいたように思います。 「ル・マンで一番速かったのはどれか?」に対する答えが“耐久王”ポルシェでも“シルバーアロー”メルセデスでも“大英帝国からの刺客”ジャガーでもなく、このプライベーターのマシンだったということにシビレまくってしまう、大好きな一台です。 #コレクションログ