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ザ・バンド『南十字星』
【2024年11月23日ON AIR】
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
11月は、普段あまり放送されないような渋めのラインナップでお送りしています。題して“渋ロック”、今回はアメリカン・ミュージックのルーツを紡ぐザ・バンドのアルバム『南十字星』です。
ボブ・ディランのバック・バンドとしても有名なザ・バンドの中心人物、ロビー・ロバートソンは1944年7月5日、カナダのトロントで生まれました。早くに父を亡くし、貧しい暮らしの中で母方のルーツであるカナダの先住民保留地で音楽と出会います。始めはカントリーから、いとこにギターの手ほどきを受けると次第に興味はロックへと移りました。13才から作曲も始め、ハイスクールをドロップ・アウトして音楽の道を目指します。
1950年代末、ロニー・ホーキンスというロカビリー・シンガーのバック・バンドに参加。他のメンバーはレヴォン・ヘルム、リチャード・マニュエル、ガース・ハドソン、リック・ダンコ。ロニー・ホーキンス&ザ・ホークスとして活動した後、63年にホークスは独立しました。ボブ・ディランと出会い、65年に彼のバック・バンドとしてツアーに出ると運命は変わります。
この年のニューポート・フォーク・フェスティヴァルで、初めてエレキ・ギターで歌い、ロックへの転換を図ろうとしていたディランは、ホークスを伴いエレクトリック・ツアーを行います。フォークを求めるファンに各地でブーイングを浴びながら、ツアーを乗り切ったホークスは、1967年、ディランの勧めでウッドストックに移り住み、ザ・バンドと改名。
そこで“ビッグ・ピンク”と呼ばれる一軒家でセッションを重ねて出来上がったのが68年に発表した、ザ・バンドのデビュー・アルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』でした。翌年は、ウッドストック・フェスティバルへも出演、2ndアルバム『ザ・バンド』からは、シングル「クリプル・クリーク」がTOP40ヒットとなり、アルバムもトップ10入りを果たします。
70年『ステージ・フライト』、71年はヴァン・モリソンらをゲストに迎えた『カフーツ』をリリース。ところが、ロビー・ロバートソンの発言力が次第に強まるとバンドは少し停滞気味に。しかし、ボブ・ディランをゲストに迎えた初のライヴ・アルバム『ロック・オブ・エイジズ』ではタイトでファンキーな名演を残してくれました。
シンセサイザーを多用した75年の『南十字星』は、“2nd以来のカムバック”と高い評価を得ますが、時すでに遅し、ザ・バンドは解散への道を進んでいたのです。76年11月には、サンフランシスコで多くのゲストを招いたフェアウェル・ライブを開催。この様子はマーチン・スコセッシ監督による映画『ラスト・ワルツ』として公開され、その音源もアルバムとしてリリースされました。77年には事実上のラスト・アルバム『アイランド』がリリースされ解散。
その後ロビー・ロバートソン抜きで何度か再結成されますが、86年ヴォーカリストでキーボードもこなすリチャード・マニュエルが旅立ちます。続いて99年にベースのリック・ダンコが、23年8月9日ロバートソンまでもが星になってしまいました。
ザ・バンドのアルバム『南十字星』
SIDE A
「禁断の木の実」
「浮浪者のたまり場」
「オフェリア」
「アケイディアの流木」
SIDE B
「ベルを鳴らして」
「同じことさ!」
「ジュピターの谷」
「おんぼろ人生」
ザ・バンドのアルバム『南十字星』いかがでしょうか?
ちなみに、ザ・バンドが最初にコンサートを行ったのはサンフランシスコのウィンターランド。その16年後に同じ会場で『ラスト・ワルツ』は開催されました。
★ザ・バンド オフィシャルサイト
https://theband.hiof.no/