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フリー『ハートブレイカー』
【2024年11月16日ON AIR】
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
11月は、普段あまり放送されないような渋めのラインナップでお送りしています。題して“渋ロック”、今回は、魂のヴォーカリスト、ポール・ロジャースが在籍したフリーのラスト・アルバム『ハートブレイカー』です。
伝説のブルース・ロック・バンド、フリーのヴォーカリスト、ポール・ロジャースは、1949年12月17日イングランド北部で生まれました。ブリティッシュ・ブルースの父と言われるアレクシス・コナーに憧れ、学生バンドを結成。ロードランナーズと名乗ったバンドではベースを担当し、後にヴォーカリストに転向しました。プロを目指してロンドンに進出しますが、バンドは解散してしまいます。
その後ブラウン・シュガーというバンドで活動を続ける中、レコード・ショップで働きながら活動をしていたポール・コゾフに出会います。意気投合した二人は新しいグループを立ち上げようという事になり、そこにコゾフのバンド・メイトでドラマーのサイモン・カーク、ベースのアンディー・フレイザーが加わって、1968年フリーは誕生しました。
フリーは名付け親アレクシス・コナーの後ろ盾を得て、アイランド・レコードからデビュー。10代という若さながら地に足のついたシブい音楽性でライヴを重ね、評判を上げていきます。1970年の3rdアルバム『ファイアー・アンド・ウォーター』からシングル「オール・ライト・ナウ」が、本国はもとよりアメリカでもスマッシュ・ヒット。一気に知名度をあげ翌71年はアメリカ・ツアーはじめ、春には初来日公演を行います。来日公演では、会場に入れなかったファンと警察がいざこざを起こすほどの熱狂ぶりだったそうです。
ところがこの後のオーストラリア公演終了後に突然解散を発表、バンドはすでに崩壊していました。それぞれが別プロジェクトなどを立ち上げますが、成功にはいたらず頓挫。解散からわずか1年後には、オリジナル・メンバーが集結して、アルバム『フリー・アット・ラスト』をリリースして再び解体しました。
ポール・ロジャースとサイモン・カークは、日本人ベーシストのテツ・ヤマウチとキーボーディストのラビットを迎えてフリー名義で活動を続けました。このラインナップで72年に『ハートブレイカー』を発表、しかしこれがフリーの最後となりました。
解散後はサイモン・カークと、元モット・ザ・フープルのミック・ラルフス、そして元キング・クリムゾンのボズ・バレルと新バンド、バッド・カンパニーを結成。1974年、アルバム『バッド・カンパニー』でデビューします。
バッド・カンパニーのデビュー・アルバムは全米1位、全英でも3位と大ヒット。早くも成功を掴みますが、メンバー間の軋轢でポール・ロジャースが一時脱退。しかし1998年オリジナル・メンバーで再結成して、現在もバッド・カンパニーは活動を続けています。
フリーのアルバム『ハートブレイカー』
SIDE A
「ウィッシング・ウェル」
「カム・トゥゲザー・イン・ザ・モーニング」
「トラヴェリン」
「ハートブレイカー」
SIDE B
「マディ―・ウォーター」
「コモン・モータル・マン」
「イージー・オン・マイ・ソウル」
「セヴン・エンジェルス」
フリーのアルバム『ハートブレイカー』いかがでしょうか?
ちなみに、ポール・ロジャースは日本人と結婚していた時期があり、その縁から「夜明けの刑事」といTVドラマの挿入歌を日本語で歌っていました。
★ポール・ロジャース オフィシャルサイト
https://www.paulrodgers.com/