門あさ美『ファッシネイション』

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【2024年9月7日ON AIR】
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
洋楽が続いたので9月は邦楽からご紹介します。
いつまで続くのか分かりませんが、日本のシティ・ポップ・ブームで再発されるレコードが話題です。今回ご紹介するアーティスト、門あさ美もその一人。今年の春、高橋幸宏プロデュースのアルバム2枚がアナログ盤で復刻リリースされました。

今月は、シティ・ポップの文脈にあっても、少し歌謡曲の香りがするレコードを選んでみました。ジャパニーズAORとでも呼んでみましょう。その初回は、門あさ美のアルバム『ファッシネイション』です。

1955年10月17日、名古屋市生まれのシンガー・ソングライター門あさ美。そのプライベートは、あまり知られていないミステリアスなシンガーと言われています。

1975年の第9回ヤマハポピュラーソングコンテスト中部大会に「門あさ美・安藤こうじ」として出場、77年の第13回中部大会に出場後、内気な彼女をスタッフが口説いてオーディションに参加しました。数社のレコード会社から手が上がり、1979 年9月テイチクから「Fascinatoin」でデビューしました。

2ndシングル「モーニング・キッス」をリリースして1stアルバム『ファッシネイション』を発表、収録10曲のほとんどを作詞・作曲し、アレンジは鈴木茂や松任谷正隆らが手掛けました。アルバムは、当時メイン・ストリームとなっていたニューミュージックの中でも、特に洗練された「ファッション・ミュージック」のコピーをつけて売り出されました。

メディアへの露出も少なく、デビュー後はライブも行わない徹底したイメージ戦略がとられ、甘く危険な歌詞とクオリティの高い楽曲、そしてそのミステリアスな美貌から人気となります。以後順調にセールスを伸ばし、82年のアルバム『Hot Lips』では、松岡直哉プロデュースのもと、村上秀一、和田アキラなどフュージョン系のミュージシャンを迎えて洗練度を増していきます。

また83年の5枚目『PRIVATE MALE』は井上鑑プロデュースで、今剛、土方隆行などが参加、まさにジャパニーズAORなサウンドとなり、ベスト10ヒットとなりました。その後もムーンライダースとのアルバムなどリリースしますがヒットまでは至らず、効果音を使った85年の疑似ライブ・アルバム『SIMULATION』をもって東芝EMIへ移籍。

移籍後は、87年の『Anti Fleur』、88年に『La Fleur Bleue-青い花-』と高橋幸宏がプロデュース。ミュージシャンも小林武史、大村健司、小原礼、さらにストリングス・アレンジは坂本龍一という豪華サポートを得ますが10枚目のアルバムを発表後、表舞台から遠ざかってしまいました。

しかし2019年、元キャンディーズ伊藤蘭のソロ・デビュー・アルバム『My Bouquet』に楽曲を提供したことで、久々に門あさ美の名前がメディアに登場。さらに2024年にはデビュー45周年を記念して、高橋幸宏プロデュース作の2枚がリマスター&アナログ・リイシューされ、話題となりました。

門あさ美のアルバム『ファッシネイション』
SIDE A
「Morning Kiss」
「Keep on Loving」
「Stop Passing Night」
「South Shore」
「Good Luck」

SIDE B
「Fascination」
「Darling」
「Smile for Me」
「Fancy Evening」
「Blue」

門あさ美のアルバム『ファッシネイション』いかがでしょうか?
ちなみに、その美貌と歌声、歌詞やサウンドで未だに人気の衰えない門あさ美。実の兄、門晃弘も八事裏山フォーク・オーケストラという伝説のバンドのメンバーとしてデビューしたことがあるのだそうです。

https://moo-095.ssl-lolipop.jp/kadoasami/index.html
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