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- 10F 映像ソフト 淀川長治総監修『世界クラシック名画100撰集』
- DVD「カリガリ博士」
DVD「カリガリ博士」
最初に観たのは高校生の時、某大学の文化祭での無料上映会で、個人的には『チャップリン小劇場』などをテレビで観たのを除けば、初のサイレント映画体験だったのですが、そんな感慨がどうでもよくなってしまうほどのインパクトが内容的にはありました。御覧になったことのある方なら納得できるはず。ということで、相当語り尽くされている作品なので、内容そのものについては特に触れなくてもいいでしょう。
さて、「世界最古級のホラー映画」あるいは「ホラー映画の原点」というのが、本展示アイテム収録作に付せられている修飾語句の代表例なのでしょう。ただ、私自身はホラー映画がそれほど好みではなかったこともあり(今でもそうですが)、そのような意義を唱えられても「へぇー、そうかね。」としか思えなかったですね。というのも、上段で述べたようにこの作品自体は高校生の頃に初見だったのですが、その頃は「ホラー映画イコールスプラッター映画」という感じの作品が多く、そんな認識もあってか、本作は、ホラーというよりもサスペンス若しくはスリラー映画という捉え方をしてしまったわけで、その辺りに違和感があったのだと思います。いわゆる「どんでん返し」のストーリー・テリングでしたので。そんな無知で鈍感な高校生でしたから、画面の背景の歪んだセットが主人公の心情の具象化であり、それが映画における、いわゆる「ドイツ表現主義」であった、というのを知ったのはかなり後年のことで、そんな知識を具備した後に本展示アイテムを入手し、収録作を再見してみて、改めて本作の映画史に占める位置を噛みしめたものでした。
https://www.youtube.com/watch?v=97EcJeozhWo
#DVD #淀川長治 #カリガリ博士 #ドイツ表現主義 #ロベルト・ヴィーネ #ヴェルナー・クラウス #コンラート・ファイト
オマハルゲ
2020/11/09コンラート・ファイト演じる「眠り男」チェザーレはゾンビの原点ではなどと思っています。(ブードゥー教の方のゾンビですけど)
因みにゾンビを日本に初めて紹介したと言われてるのがあの小泉八雲だったり。
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woodstein
2020/11/10omaharuge102さん、コメント有難うございます。いかにもファンタスティック映画に造詣の深いコメントで、感心させられます。ブードゥー教のゾンビは、動き回る実体というよりも霊魂の要素が大きい、という理解になるのでしょうか。とにかく、心理的に観客に恐怖心を湧かせる演出は効果的でした。少し的外れなコメント返しですみません。
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オマハルゲ
2020/11/10こちらこそすみません。
最近、小泉八雲とゾンビの件を知って「眠り男」ってゾンビっぽいなと思ったもので…少々強引かと思います。
「ドイツ表現主義」と映画の内容が上手くマッチしていて、アッと驚くラストは当時は衝撃だったでしょう。正に名作ですよね。、
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Jason1208
2020/11/10後ろにいるのが、“眠り男チェーザレ”でしたっけ。
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woodstein
2020/11/11 - 編集済みJason1208さん、コメント有難うございます。仰るとおり、ジャケットの1枚目の画像で、後ろで目を閉じているのが「眠り男チェザーレ」で、コンラート・ファイトという俳優です。私が最初に観たのは映画『カサブランカ』のシュトラッサー少佐だったかな。最期はリック(ハンフリー・ボガード)に射殺される役でした。
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nutotsuka
2020/11/12コンラート・ファイトはドイツ映画「会議は踊る」でメッテルニヒ役でも出ていますよ。カリガリ博士役のヴェルナー・クラウスとともにサイレント映画期に性格俳優(異常な役柄多し)として活躍しています。
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woodstein
2020/11/16nutotsukaさん、コメント有難うございます。御指摘のとおり、コンラート・ファイトは映画『會議は踊る』に出演していました。いずれ、このフロアに同作品を収録したDVDを展示する予定なので、その際にこの作品について触れたいと考えています。
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dape_man
2020/11/14奇書として名高い夢野久作の『ドグラ・マグラ』は、この映画に触発された部分が結構大きいみたいですね。
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woodstein
2020/11/16dape_manさん、コメント有難うございます。映画『カリガリ博士』が『ドグラ・マグラ』執筆に関わっていたのは初耳でした。ちなみに、小説の方は読んでいませんが、松本俊夫監督、桂枝雀主演の映画『ドグラ・マグラ』は、30年以上前にシネセゾン渋谷のレイトショーで観ました。ストーリー的にも映像的にもかなり刺激的でしたが、そのときは体調があまり良くなく、上映中の半分近くの時間を眠ってしまったのが痛恨でした。
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